シチリアの第2の首都と言われるカターニアから西へ30分ほど車で走ると“アルカラ”というオレンジ農園のアグリトゥリズモがあります。22ヘクタールの土地には見慣れたブロンド種のオレンジやシチリアならではの中身が赤いタロッコと呼ばれるオレンジの他に、マンダリン、レモン、グレープフルーツなどの柑橘類を種に栽培している農家です。僕がここを始めて訪れたのは94年の9月でしたが、昨年の8月に久々に訪ねました。季節的にはまだオレンジが熟れて実ってないのですが、レモンの中には夏に実るものもあり、またオレンジとマンダリンを掛け合わせたものなどもあります。
初めてこの農園を訪ねて感動したのはオレンジの花のハチミツでした。シチリアではザガラと呼ばれるオレンジやレモンの花から蜜蜂がせっせと集めた蜂蜜ですが、そのえもいえぬ香りたるや、ヴィーナスの薄絹を思わせる甘く優雅な香りです。これと大変良く似た感じが甘いマスカットなどの葡萄の果汁でした。しかし、それはあくまでも似ているだけであって、ザガラの香りには脳髄に染み込むような陶酔感をもたらせます。ある時、深夜のアウトストラーダをシチリアの友人の車で走っていたとき、街燈の少ないところでヘッドライトを消して真っ暗闇を走ったとき、運転していた友人が窓を開けろというのでおもむろに開けたとたんにそのえもいえぬ甘い香りがフワッと車の中に充満し、僕は宙に浮いたかのようなここち良さでした。
シチリアに行くとたいがいはこのザガラのハチミツを見つけることが出来るのですが、アグリトゥリズモ、アルカラのハチミツは別格です。ハチミツの瓶の蓋を開けた瞬間に、まさにザガラそのものの香りがハチミツに溶け、封じ込められているのです。そしてもうひとつのお目当てはオレンジのママレードです。これもまた、香りと味わいの深い素晴らしいもので、カターニア近辺に来たときには必ずこのアグリトゥリズモ、アルカラに立ち寄ることをお薦めします。EUの取り決めで、アグリトゥリズモの製品は貿易の商品として輸出できないという制約があるそうなので、ここに観光に来て手土産にするしかないのですが、その目的のためだけにシチリアを訪れ、このハチミツをゲットするだけでも満足できるでしょう。
写真はオーナーのアンナ・サプッポさんが園内で一番葉が大きくなるオレンジの葉を見せてくれたところですが、この木は何度か接木をしていますので、元の木の幹がとても大きくなっていますね。
Agriturismo ALCALA
Loc.Terrebianche-S.S.192km 78-95045 Misterbianco(CT)
tel:368-3469206
e-mail:alcala@virgilio.it
http://www.omnia.it/alcala/

これがアルカラ自慢のハチミツとママレード。一生に一度はこれを味わいたい、と思うほどの素晴らしさです。
アルカラには4棟のアパートメントがありますが、いずれも自炊できるアパートメント形式です。しかし、時にはここを訪れた観光客の人たちがそれぞれの手料理を持ち寄って、かつてワイン蔵だったところで一緒に食事を楽しむこともあります。
昨年の8月に訪れたときにはすでに実っていた早生種のレモン。以外に甘味があり、果汁を炭酸水で割って飲むと疲れがいっきに消えました。

今ごろはこんな感じでオレンジを収穫できます。中身が赤いタロッコ種はもっと遅くて3月から4月だそうです。それにしても、花まで同時というのは不思議、さすがにシチリアですね。


コメント (1)
これが噂のアグリツーリズモですね。
私も機会があったら、是非行ってみたいなぁ・・・・。
残念ながらハチミツもオレンジも、私の食卓にはあまりでないけど・・・。
投稿者: kinuko | 2006年01月30日 16:59
日時: 2006年01月30日 16:59