「ヴェネツィアの仮面職人」

ヴェネツィアでは2月9日から20日までカルネヴァーレが開催されています。カルネヴァーレについては昨年のこの時期に紹介していますので、ブログのバック・ナンバーで見て頂くことにして、今回は仮面の工房を2軒紹介します。

まず、1軒目は “トラジコミカ”というヴェネツィアでも代表的な工房で、日本の百貨店などで開催されるイタリア物産展でも仮面作りのデモンストレーションに来日したことがあります。オーナーのグアルティエロさんは毎年銀座の伊東屋ギャラリーで個展を開催している友人の画家、荒井裕子さんの友人でもあり、とても親日家です。
IMG_0326.jpg
ヴェネツィアの代表的な仮面工房、トラジコミカ(Tragicomica:www.tragicomica.it)

IMG_0336.jpg
トラジコミカの主人、グアルティエロ・ダッロスト(Gualtiero Dall'Osto)さん

IMG_0348.jpg
工房で奥さんと仮面つくりをするグアルティエロさん。

ヴェネツィアにはたくさんの工房がありますが、グアルティエロさんの研究によれば、仮面作りの伝統は1436年頃にまで遡るそうです。紙粘土で仮面の型を取り、様々な文様で装飾をしたり、画家や彫刻家の有名な作品を題材にしたものなど、伝統的な仮面以外にも現代風にアレンジしたり、各工房独自の創作仮面などがあります。ヴェネツィアの路地をリアルトからサン・ポロ広場を通り、フラーリ教会へ向かう途中の路地にあって、何度も見慣れているはずなのに、この工房についつい入ってしまう魅力があります。お店の陳列の仕方は雰囲気がそうさせるのです。

IMG_0325.jpg
ジョルジョ・デ・キリコの絵画を題材にしたオブジェの仮面

もう1軒は昨年、初めて訪れた “アトリエ・マレーガ”という工房で、サン・ロッコ同信教会に近くにあります。ちょうど店の前を通りかかった時に、奥のテーブルで絵付けをしていた女性が眼に入ったので、撮影させて頂きましたが、顔を上げた彼女があまりに美しいので、背景の壁に掛けてある仮面とイメージが重なり、新刊の「イタリア好き」にも掲載した写真が撮れました。彼女なら仮面はいらないかも知れませんね。あるいはその顔の下にまた別の素顔があるとか・・・・・
IMG_0775.jpg
アトリエ・マレーガ(Atelier Marega:www.marega.it)の店内

IMG_0201.jpg
ショップで絵付けをする若い職人

Maschera%20Violka-5.jpg
アトリエ・マレーガのヴィオルカさんはモルダヴィア出身で、職人暦は2年。

IMG_0778.jpg
中央にある長いくちばしの仮面はペスト禍の時に、医師が感染者に近づき過ぎないように着けた仮面。両脇にあるのはバウッタという伝統的な男性用の仮面。

さて、またトラジコミカに戻りますが、この工房では毎年、由緒ある館の中で仮装した人々が集まり、舞踏やアクロバット、音楽会などを楽しむイベントを開催しています。今年は2月18日に、パラッツォ・ピサーニ・モレッタという館で午後8時から始まります。僕はまだ行った子とはありませんが、映画「カサノバ」のシーンで見るような華麗で幻想的な雰囲気なのでしょうね。こちらのイベントもトラジコミカのサイトで案内されていますので、来年はトライしてみませんか?
IMG_0780.jpg
仮面舞踏会などで使われる華麗な手持ちの仮面

IMG_0784.jpg
コンメディア・デラルテの仮面

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.tabista.jp/cgi-bin/Mt/mt-tb.cgi/3505

コメント (5)

Murai(北青山ソルレバンテの新人バリスタ):

いつも北青山へお越しいただき、ありがとうございます。
先日はエスプレッソのご指名を頂戴して、大変光栄でした。まだまだ稚拙なカフェですので、せめてこちらの成長をちゃんと毎回感じて楽しんでいただければと思い、努力しています。
篠さんのアーティクルのようにとまではゆきませんが、おいで頂いた方々の毎日が、ソルレバンテでのひとときを境にすこしだけ鮮やかなものにできるような、そんなカフェをお出しできればと思っています。
もともと職人仕事をする人間(楽器)なので、一連の風景はとても興味深く、おもわず見入ってしまいました。

Muraiさん、こめんとありがとうございます。
とてもチャーミングなドルチェ、そしてイタリアを思わせるエスプレッソ、これからも青山に行ったら必ず寄りたいですね。
恵比寿にも美味しいエスプレッソ、カプチーノと数々のワインを楽しめる店ができました。”da Gino"(www.ginogino.jp)こちらにも遊びに来て下さい。

篠さんこんばんは。
マトゥーリへのご登場ありがとうございました。

4月にやはり行くことにしました。
アクアアルタに出会ったらそれも幸運!
篠さんのお勧めホテル、予約しましたよ。

明日はイタリア文化会館での講演ですね。
お伺いします。
楽しみにしています。

旅人しのちゃん:

Muraiさん、コメントありがとうございます。イタリア人の友人から本格的なイタリアン・バールの味と雰囲気が楽しめると誘われて行って以来気に入ってますよ。何故かバールとカッフェがブームだそうですね。ただ、日本ではバールと言うと、カッフェのイメージが強いのですが、本場イタリアではバールでワインもリキュールも楽しめるので、ソルレバンテもそんなバールに仕上げて下さい。恵比寿の"da Gino"(www.ginogino.jp)はワインもカッフェも抜群です。銀座のGucciとか並木どおりのLa Violaもお気に入りで、素晴らしいエスプレッソを味わえますよ。では、また北青山で!Ciao!
P.S.:このブログに紹介しているヴェネツィアのバール、Elioのパオロ君はプロのロック・ギタリストです。

Muraiさん、コメントありがとうございます。イタリア人の友人から本格的なイタリアン・バールの味と雰囲気が楽しめると誘われて行って以来気に入ってますよ。何故かバールとカッフェがブームだそうですね。ただ、日本ではバールと言うと、カッフェのイメージが強いのですが、本場イタリアではバールでワインもリキュールも楽しめるので、ソルレバンテもそんなバールに仕上げて下さい。恵比寿の"da Gino"(www.ginogino.jp)はワインもカッフェも抜群です。銀座のGucciとか並木どおりのLa Violaもお気に入りで、素晴らしいエスプレッソを味わえますよ。では、また北青山で!Ciao!
P.S.:このブログに紹介しているヴェネツィアのバール、Elioのパオロ君はプロのロック・ギタリストです。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)


篠 利幸

1977年初渡欧、画家としてしばらく活動後、イタリアの写真を撮り始める。書籍、雑誌等で写真と文筆の両面で活動、「田園のイタリアへ!アグリトゥリズモの旅」(NTT出版)、「トスカーナの青い空」(東京書籍)など著書多数。 新ブログスタートしました→http://blogs.yahoo.co.jp/fotombra

2009年06月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

アーカイブ

RSSを取得