2008年03月21日

「Foodex Japan 2008」

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イタリア貿易振興会主催の記者会見

今年も幕張メッセで開催されたFoodex Japan 2008を取材してきました。国際食品・飲料博覧会、世界各国から生産者が集まり日本市場への売り込みに燃える一大イ
ベントですが、さすがに全てを4日間の日程では回りきれないし、全てを取り扱う企業もないでしょうから、おのずと自分の専門地域のブースを訪問します。
もちろん、僕はイタリアが専門ですから海外出展館にあるイタリアのブースと国内パビリオンにもイタリア製品を輸入している企業がありますので、それらを取材しました。
それでも、この大量の食品、飲料の情報ですから、おそらく始めてきた方にはどれが良いのか、どこから手をつけてよいのか分からないでしょう。僕は1990年からヴェローナのVinItalyに通ったり、ア
グリトゥリズモの本を書くためにイタリアはシチリアからサルデーニャ、半島の爪先からアルプスの山中まで歩いてきて培われた経験がありますから、美味しいもの、優れたワイン生産者にはある種の勘が働きます。それで、これまでにも様々な優秀なワイン生産者や農産物生産者に出会って来ましたが、それでも毎年、新たな発見と出会いの連続です。

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(左)ICI会長、ウンベルト・ヴァッターニ大使 (右)毎年同じ場所を確保するICEブース

今回はイタリア貿易振興会の記者会見からスタートしました。ローマ本部会長のウンベルト・ヴァッターニ大使のお話しの中で、今年は「スプンティーノ(SPUNTINO)しよう!」というキャッチフレーズとともに、昼食や夕食のフルコースだけではなくて、もっと気軽に、おやつ感覚でイタリアの生ハムやチーズ、タラッリ(プーリアやカンパニアでよく食べる指で輪を作ったような形の塩味クラッカー)やちょっと手を加えて簡単に調理したパスタや野菜サラダなどのイタリア食材とスプマンテや軽口のワインで楽しむことを言うそうです。恵比寿のエスプレッソ&ワイン・バー”daGino"(www.ginogino.jp)では「アペリティーヴォしよう!」というキャッチフレーズで既に同じようなサービスを展開していますが、今年はこれが新しいイタリアの食文化として大きく展開されるようです。イタリアのエスプレッソが美味しく飲める本格的なバールも増えてきましたし、今年もますますイタリアは元気に楽しめますね。

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(左)国内パビリオンにブースを出したGino。お向かいはインドのカレー屋さん (右)Ginoのワインとコーヒー、これが僕のおいしい毎日

フーデックスの会場で、突然、背の高いイタリア人に声をかけられました。手に持ったワインリストにはToshi Shinoと書いてあります。出会ったのは国内パビリオンに出展しているGinoのブースの前。自己紹介されてびっくり。昨年、マルケのロッソ・コーネロを飲んだらなかなか美味しかったので生産者にメールをしたら、「Mr.Shino,私はあなたを知っています。あなたの写真は素晴らしい。あなたのヴェネツィアの展覧会とそのサイトを見てすっかり気に入り、いつかお会いしたいと思ってます」とメールを頂いたのです。その方はマルケで何代も続くレオパルディ伯爵でした。彼も僕と同じ、コンタックスのカメラで写真を趣味にしているとか。もう、10年近く前ですが、ファエンツァでここのワインを飲んだことがあって、その印象もよかったのです。ただし、今回、メインに味わったワインはかなり現代的な作りになっていて、ちょっと僕好みというものではなかったのが残念です。聞いてみると、リッカルド・コッタレッラという知る人ぞ知る、著名な醸造家の指導で作られたそうです。フレンチ・オークのバリックを使い、濃厚な赤というより、黒に近いようなワインを造るのです。決して、まずいワインとはいいません。アメリカ人やドイツ人は
このような人の手が強く入り込んだワインを好むようですが、日本人の繊細な味覚にはもっと自然な味わいのほうが飽きないでしょうね。レオパルディ伯爵とはしばらくは写真の趣味だけのお付き合いが良さそうです。

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(左)僕好みのワインを揃えているグランサムのブース (右)Enzo Meccelaのセミナーで解説をするカリスマ・ソムリエの内藤さん

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(左)ワイン・セミナーではヴィンテージの違うワインを試飲して勉強 (右)ロッソ・コーネロで知られるEnzo Meccelaの幻の1984のワイン

同じく、マルケの生産者で日本には何度も来ているエンツォ・メッチェラ(EnzoMeccela)さんのワインの試飲会がイタリア貿易振興会のセミナー会場でありました。講師はイタリアワインのカリスマ的存在として知られるVino della Paceの内藤さんです。1990年から1997年、また1984年のオールド・ヴィンテージのワインを試飲しました。収穫年によって大きく差が出るワイン、ということは人工的な手段でその差を埋めようとしていないので、比較的自然な風合いを残した、とても好感が持てるワインで、生産者、エンツォ・メッチェラさんの人柄が良く出たワインだと思います。ワインの出来、不出来にかかわらず、その特徴や面白み、味わい方などを的確に解説し、いつもんがら流石だと感心しました。また、サルデーニャの鰻の燻製や日本でもかなり普及しているサルデーニャ産のからすみ、ボッタルガを作っているところや、サルデーニャのパネットーネなどにも出会いました。何故か、このパネットーネのブースにはプーリアの美女が遊びに来ていて、モデルさんになってもらいました。

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(左)サルデーニャのお菓子のブースに何故かプーリア美人が (中)今回とても印象に残ったAureio Settimo 1999年のバローロ (右)1984年のラベルがあるEnzo MeccelaのBraccano

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珍しい鰻の燻製やボッタルガが旨い、サルデーニャSarda Affumicati社

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(左)マルケ州のDOCGワイン、ロッソ・コーネロを生産者で僕の写真の大ファンのレ
オパルディ伯爵ご夫妻 (右)いつもご夫婦で仲良くVinItalyでも毎年会うSanyoの渡辺さん

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シチリアのラグーサ郊外で優秀なオリーブオイルを作っているゾットペッラさん

 フーデックスの会場はあくまでも業者による業者のためのイベント会場ですから、そこに来るのは業界のプロばかりです。だから、イタリアのブースではたくさんの知り合いのシェフやソムリエ、ホールのスタッフの方々に会いました。その皆さんの多くは海外パビリオンのイタリア貿易振興会が仕切るブースに集まるのですが、今回、国内パビリオンには優秀なイタリアワインをたくさん揃えている田園調布のGinoがブースを出しました。自慢のエスプレッソ・マシーンも設置してイタリアよりおいしいエスプレッソをサービスし、また今回はピエモンテで素晴らしいバルバレスコやバルベーラのワインを造るエリオ・フィリッピーノ夫妻やトスカーナの有名なワイナリー、ランチョーラのジャンカルロ社長も来日、ブースで日本のお客さんに一生懸命、自社ワインの宣伝に努めていました。僕は3日間、通いましたが、いつの間にかGinoブースの向かいのインド・カレーを出している会社の方々とも仲良しになり、終了後には記念写真も撮りました。我が家から幕張メッセは遠く、片道2時間ちかくかかるので、朝早くでて、広い会場をいろいろな方と会って話していると、口に入れているのはほとんどワインだけという毎日でしたが、このインド・カレーやアマゾンのフルーツ、アサイーを扱っているブースで毎日、試飲、試食しているとお昼抜きでも元気でしたね。
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(左)毎朝、会場で飲んで、元気になったアマゾンのフルーツ、Acaiのジュース。朝、良いです! (右)エリオ・フィリッピノがわざわざ届けてくれた、ロマーノ・レヴィ爺さんから
のプレゼント

毎年、このフーデックスが終わるとすぐにヴェローナで開催されるイタリアワイン博覧会、VinItalyの取材に出ます。フーデックスの会場でも何人もの生産者とまたヴェローナで会いましょうと挨拶をして分かれました。24日からプーリアのツアーに出発して、そのままヴェローナに直行。帰国は4月10日です。では、皆さん、次回はVinItalyの報告になります。どうぞお楽しみに!


2008年03月14日

「あのドン・アルフォンソとヴェネツィアで誕生」

今年は閏年なので2月は29日までありました。そして1年は366日です。実は僕はその2月29日が誕生日。4年に1回なので前回も友人や写真講座の生徒さんたちから盛大に何度かの誕生会を開き祝って頂きました。

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ドン・アルフォンソとマウロ・ロレンツォン

4年に1回の誕生日なので今は何歳?まだ未成年だからお酒はだめよ!なんて冗談を言われますが、確かに誕生日の回数で言えば14回目。ところで閏年とはどういうことでしょうか?
暦には古来から太陽暦、太陰暦、太陰太陽暦などがあり、太陽暦の中には古代エジプト暦、ユリウス暦、グレゴリオ暦などがあり、太陽と月の運行の関係で生じる月日のずれを調整するために考案されたもので、ユリウス暦は紀元前46年の古代ローマの皇帝ユリウス(ユリウス・カエサルつまりジュリアス・シーザー)が定めたもの。これが1000年以上も使われてくると復活祭などキリスト教の重要な移動祝祭日を決めるのに重要な春分の日が大幅にずれてくることが判明し、1582年ローマ教皇グレゴリウス13世のときに研究を重ねた方法が制定され、それが今日に至っているそうです。ちなみに、オリンピックやアメリカの大統領選挙も閏年に行われることになっているそうです。

今年はその2月29日の誕生日にちょうどヴェネツィア取材の最中でした。これまでに誕生日を海外で迎えたのは初めてだったかもしれません。いつも楽しい仲間たちとワインを飲みながら盛り上がっていたので、なんとなく寂しい気持ちでその4日まえに旅たちました。
しかし、そこは僕が大好きなイタリア、そしてヴェネツィア。携帯のメールにも日本のみならず、誕生日を覚えていてくれたイタリアの友人たちからお祝いのメールを頂きましたが、とりわけて嬉しかったのはヴェネツィアの居酒屋、マスカレータに行った時でした。亭主のマウロ・ロレンツォンがちゃんと誕生日のプレゼントを用意してくれていました。おまけにその数日後にはナポリでミシュラン2つ星(かつては3つ星)の有名レストランのドン・アルフォンソの友人たちと同席に
なり、僕が閏年の誕生日だと言うと、皆、「本物の閏年生まれに出会ったのは初めてだ。これは何かいいことがありそう!」と祝福してくれたのでした。

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親友のルイジととっておきのワインを注ぐマウロ                マウロからの誕生日プレゼント

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ドン・アルフォンソとワイン談義               ドン・アルフォンソとツーショット 

4.jpgマウロが昨年のヴィニタリーの帰りに寄った時に飲ませてもらい僕が気に入ったワインを開けてくれて、ドン・アルフォンソたちにふるまうと、誕生日気分はより盛り上がり、僕は十八番のオーソレミオを歌いだしました。すると、ふるさとの有名な歌を聴いたものですからドン・アルフォンソたちも歌い始め、その後もアネマ・エ・コーレやマラフェンメナなどナポリ民謡の大合唱で大変な盛り上がりになりました。マウロやドン・アルフォンソをはじめ居合わせた人たちのお陰で今年も忘れられない閏年の誕生日を祝うことができました。次はぜひともソレントのドン・アルフォンソの店で祝いたい、いや、この店には年内にも行きそうですね。
ついにまたナポレターナを合唱!



篠 利幸

1977年初渡欧、画家としてしばらく活動後、イタリアの写真を撮り始める。書籍、雑誌等で写真と文筆の両面で活動、「田園のイタリアへ!アグリトゥリズモの旅」(NTT出版)、「トスカーナの青い空」(東京書籍)など著書多数。 2004年11月、ヴェネツィアで写真展(www.toshi-shino.com)を開催した。

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