カステッロ・ディ・ヴェッラッツァーノのワイナリー訪問

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カステッロ・ディ・ヴェッラッツァーノ

ちょうど、昨年の今頃、ワイン好きの仲間たちとトスカーナからローマまでワイナリーを訪ねるバス旅行をしました。トスカーナ、そしてイタリアを代表するワインと言えば、キャンティですね。キャンティはグレーヴェ・イン・キャンティ、カステッリーナ・イン・キャンティ、ラッダ・イン・キャンティ、ガイオーレ・イン・キャンティなどのクラッシコ地区とコッリ・フィオレンティーニ、コッリ・セネージなどクラッシコ地区を囲む広範囲で生産されるワインの原産地呼称です。

クラッシコ地区のワインには黒い雄鶏のマークがついたラベルがボトルの首に貼られています。このシンボルマークが生まれた由来はかつてシエナとフィレンツェが対抗し合っていたとき、夜明けに雄鶏が第一声を発したら互いに歩き始め、出会ったところまでをそれぞれの領地にするという取り決めをしました。フィレンツェ側は雄鶏が少しの光でも朝が来たと思って鳴くようにずっと目隠しをしておいたので、シエナより先に出発することができたので、多くの土地を確保し、これがコジモ一世の時に、キャンティ・クラッシコ地区と制定されました。この雄鶏の鳴かせ方には空腹にしておいたからという説もあるそうです。

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(左)グレーヴェ・イン・キャンティ (右)グレーヴェ・イン・キャンティの広場に立つ、ジョヴァンニ・ヴェッラッツァーノ像

さて、そのキャンティ・クラッシコの代表的な地区のひとつであるグレーヴェ・イン・キャンティの町の広場にジョヴァンニ・ヴェッラッツァーノという人物のブロンズ像が立っています。歴史の記録によると彼はコロンブスの船の航海士として同行し、新大陸、アメリカのハドソン湾を最初に発見した人物だったそうです。そして、帰国後はグレーヴェ・イン・キャンティ近郊の丘の上に居城を築きました。現在、その領地はカッペリーニという家族に受け継がれ、カステッロ・ディ・ヴェッラッツァーノという非常に優秀なキャンティ・クラッシコのワインを生産しています。

フィレンツェ市内にはカンティネッタ・ディ・ヴェッラッツァーノというワイン・バーがあって、1995年に「トスカーナの青い空」(東京書籍)という本を書くために半年ばかりフィレンツェに住んだことがありますが、このワイン・バーには毎日のように通い、自社農園で育てている評判の猪のサラミとワインを楽しみました。その頃に2度ほどこのワイナリーを訪ねたことがあります。フィレンツェの友人がフィアット・500で連れて行ってくれたのですが、我々の車がワイナリーの近くまで上がっていくと、白髪のおじいさんが、車は下だ、上がってくるな!と叫んで追い返されました。下の駐車場と思しき空き地に車を残して改めて城まで登っていくと、そのおじいさんが笑顔で迎えてくれましたが、実はこれが先代のカッペリーニさんだったのです。今は亡くなられましたが、フィレンツェのお店からから取材の申し込みをしてあったので、とても親切にワイナリーなどを案内してくれました。自動車を上まで入らせないのは、排気ガスから酒蔵のワインやオリーブオイルなどを守るためでした。

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(左)トスカーナ名物は猪の生ハムやサラミ (右)1960年代のオールド・ヴィンテージがならぶ酒蔵

ワイナリーに広々としたレストランもあり、美味しい生ハムやサラミ、パスタなどの食事のサービスを受けました。もちろんワインもいろいろと飲みました。特に僕はキャンティ・クラッシコ・リゼルバとパルティコラーレという銘柄のワインが好きだったので、2杯づつくらい飲みましたが、ワイナリーで飲むとまあ数倍の美味しさに感じますね。

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(左)ヴェッラツァーノの東屋からの眺め (右)ヴェッラッツァーノの一番人気、キャンティ・クラッシコ・リゼルヴァ

昨年の旅の前年にもこのワイナリーを訪れましたが、今では大型の観光バスが数台も留められる駐車場もあり連日、アメリカやドイツ、フランスの観光客が見学に来ていました。もちろん、見るだけでなく、ワインと食事も楽しむためです。このワインのいくつかは日本にも輸入されていますから、このブログの読者にはすでによく飲まれている方も多いと思います。伝統を重んじた、重厚で味わい深いワインですから、レストランで飲むとき予約を入れて、食事の時間に合わせて事前に開けてもらうか、デカンターに移して飲み頃を楽しめるようにすればなお美味しく味わえるでしょう。もちろん、家庭ならば3日くらいはかけてゆっくり味の変化を楽しみたいものです。ワインは時間をかけて丁寧に作られたものほど、味わう時にもゆっくりと楽しみたいものです。

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コメント (2)

Aya:

夏にイタリアに行きますが、どこに行くか、篠さんのブログ、とっても参考になりました。ありがとうございました。
キャンティは前回行きましたが、ぜひもう一度、訪れてみたいと思っています。それでは!(フーデックスでお会いした者です。)

Ayaさん、夏のイタリア、今年もかなりの猛暑が予想されますから、できるだけ涼しいところがいいでしょうね。コルチナ・ダンペッツォの山の中とか、マジョーレ湖畔。僕はたぶん東京でクーラーでワインと自分の体を冷やしながら次の本の構想を練ったりしていますが・・・

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篠 利幸

1977年初渡欧、画家としてしばらく活動後、イタリアの写真を撮り始める。書籍、雑誌等で写真と文筆の両面で活動、「田園のイタリアへ!アグリトゥリズモの旅」(NTT出版)、「トスカーナの青い空」(東京書籍)など著書多数。 新ブログスタートしました→http://blogs.yahoo.co.jp/fotombra

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