
スペイン階段
イタリアの町は石造りの建物が基本なので、その土地ごとに近郊で生産される石や土を焼いて造ったレンガの色で統一されています。例えば、トスカーナのシエナはローシェンナ、バーントシェンナという茶色の絵の具にも名前が使われているように、シエナ産の土を焼いて造った褐色がこの町の基本色でもあります。また、アッシージのように美しいローズピンクの天然石を積み上げて作られた町やプーリアのアルベロベッロやオストゥーニなどのように白い漆喰に塗られた白亜の町並みがあります。それらの町を写真に撮るとき、カラーで撮る必要がないほど、モノトーンの統一感がありむしろ白黒写真の方が、質感や表情を感じることがままあります。

ジャケット

ジャニコロの丘から
また、ローマのスペイン階段やトレビの泉などをモノクロで見ると今日撮影したものでも造形的な変化がほとんどないのでアメリカ映画「ローマの休日」作られた時代を彷彿とさせる古さを感じます。イタリアはファッションやデザインの先進国ではありますが、町並みを見ると日本ほどには色彩の氾濫というものがなく、また家の中に入っても壁面や調度など統一された色調のハーモニーを大切にしていることを感じます。

トレビの泉

真実の口
今年の春、プーリアの旅行をした時に泊まったアグリトゥリズモのレストランの壁に四角い窪みが作られ、そこに古い生活用品を飾ったりしてる。それがとても絵画的でイタリア人のセンスのよさを感じさせますが、白壁に合わせて、白の琺瑯の容器だったり、天然木の取っ手がついた古い厨房用品だったりするので、素朴な造形が白黒の表現にもよく似合う。白壁に掛けられたベージュ色のジャケットもそのままモノクロにするとジャケットの存在感や光と影のやわらかな陰影がより細やかに表現されます。

アルベロベッロ1

アルベロベッロ2

アルベロベッロ3
モノクロ写真というとかつては白黒のフイルムで撮影し、カラー全盛時代に合えて白黒フイルムを使うと現像費やプリント代が高くつきます。自分で現像とプリントを楽しむ手もあるが、よほど時間にゆとりがないと暗室や機材などいろいろと面倒です。ところが、最近のデジタルカメラでは一眼レフはもちろん、コンパクトカメラでもモノクロに変換して撮影することが出来るのでこれはかなり便利です。カラーで撮影しておいて、PCに取り込んだ後にフォトショップなどのソフトで選んだ写真をモノクロに変換することもできるので、1枚の写真でカラーとモノクロの両方の違いを楽しむことも出来るようになりました。

壁のオブジェ1

壁のオブジェ2

