マルケ州の名醸造ワイナリー、コンテ・レオパルディ・ディッタユーティを訪問

アックア・アルタのヴェネツィアには12月1日の夜に着いてエリオ・フィッピーノ夫妻と2泊でしたが、実質的には36時間くらいの最短滞在で、3日の早朝6時にはルイジの家を出てまだ暗闇の路地を重い荷を引きずりながらリアルトまで歩き、水上バスに乗ってサンタ・ルチア駅へ向かいました。アンコーナ行きの列車は7時20分発でしたが、ヴェネツィアの水上バス利用は意外に時間が掛かるからいつも余裕を見て宿を出ます。最初は手もかじかむほどの寒さでしたが、駅に着く頃にはうっすらと汗ばんでいました。旅で辛いのはこの大荷物を持っての移動で、ツアーならバスに乗せていけるのが、鉄道利用では天国と地獄の差です。これを20年以上もやってきたわけで、ひとり薄暗いヴェネツィアの駅に立つと昔の様々な思い出が蘇ります。僕のイタリアはこのヴェネツィアから出発したとも言えるからです。

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アンコーナの海岸道路に残るローマ時代の門

アンコーナまでは特急で4時間、途中、フェラーラ、ファエンツァ、チェゼーナ、リミニ、リッチョーネ、ペーザロ、ファーノ、セニガリアと懐かしい地を通ります。ファーノには画家の友人、ジョヴァンニ・フェッリがいますが、今回は会う時間もありません。アンコーナに着くと、招待を受けているワイナリー、Conte Leopardi Dittajutiのオーナー、ピエールヴィットリオから電話があり、タクシーに乗って劇場近くのEnopolis(www.enopolis.it)というレストランで待っていてくれと携帯電話に連絡がありました。このワイナリーは遡れば4世紀のビザンチン時代、オリジナルはシチリアから来た貴族の末裔。ワインは以前から知っていましたが、一昨年、たまたまワイナリーに連絡をするとオーナーである伯爵のピエールヴィットリオが僕の写真を以前、イタリアの雑誌で見たことがあり、ヴェネツィアの写真展のことも知っていて、僕のファンだと言われてびっくりしました。それから、ワインの話よりも写真の話で仲良くなり、是非、一度ワイナリーに来てくれと言われていたのです。その後、今年のFoodex Japanで会い、VinItalyでもブースを訪ねて再会し、ワインの数々を飲みましたが、なかなか美味で家柄の歴史と伝統にふさわしい高品質のワインであると確信、写真の趣味の仲と同時にワインを通じても気の置けない友情を深めることができました。

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アンコーナの劇場、右手奥の18世紀の貴族のJona館の中に素敵なレストラン・バーがある

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Jona館の中にあるレストラン・バーEnopolis.

待ち合わせたレストラン、EnopolisはPalazzo Jonaという18世紀の貴族の館の建物の中にあり、その地下にあるカンティーナは10世紀からのものだそうです。レストランはモダンな造りになっていますが、天井などは昔のままで、古いものと新しいものを上手に組み合わせるイタリアならではの良い雰囲気です。オーナーのジュゼッペは気取らない性格で、大きな声であれこれ話しながらピエールヴィットリオを待つ間に飲んでくれとスプマンテを開け、生ハムやサラミを用意してくれました。その僕をカウンターの向こうから愛犬のクレオパトラが見つめています。サラミや生ハムが欲しそうですが、行儀が良くて、カウンターに手(足?)は着いても盗み食いなどはしません。そのうちに店の常連が来て、おしゃべりをしたり、写真を撮ったりしているとピエールヴィットリオが奥さんを伴って到着しました。

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Enopolisのオーナー、Pepe

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Enopolisのアイドル、クレオパトラ

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Enopolisの常連

シェフのアレッサンドロが日本人のお客さんということで気を遣ったようで、前菜はマグロと鯛のお刺身で、オリーブオイルと醤油を合わせたタレにはなんとワサビも添えられていました。イタリアではめったに日本食は食べませんが、こうした気遣いのもてなしは嬉しいですね。パスタはマルケ州の特にウルビーノ特産と言われているパッサッテッリ。魚介ベースのソースで、これをピエールヴィットリオの作る白ワイン、マルケ特産のヴェルディッキオで味わいました。

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シェフのアレッサンドロ

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魚介のソースを絡めたパッサッテッリ

食事を終えて、ワイナリーのあるヌマーナへ向かいましたが、その道中の風景は絵に描きたくなるような葡萄畑や桑の木の林などの田園風景です。その夜は葡萄畑が目の前に広がるアグリトゥリズモに宿をとってあるとのことで、まずはそこへ向かいました。到着して2階の入口に立つと180度葡萄畑が広がります。左手には「ロレートのマドンナ」として知られるロレートの教会が丘の上に見えます。ヴェネツィアから4時間列車に揺られて来たかいがあったと、夕暮れの光の移ろいを楽しみながら撮影に興じました。その夜はピエールヴィットリオの自宅に夕食に招かれ、食事の後はワインボトルを被写体に写真撮影も彼と楽しみました。

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アンコーナからヌマーナの田園へ

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アドリア海を望むヌマーナの丘の上

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一夜の宿となったアグリトゥリズモ。道路の左側にアドリア海、右側には葡萄畑が広がる

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アグリトゥリズモの室内

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アグリトゥリズモの前に広がる葡萄畑.

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左手遠方の丘の上にはロレートのマドンナで知られる教会が見える


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自社の葡萄畑の前に立つレオパルディ伯爵夫妻

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丘をくり抜き築かれたコンテ・レオパルディの酒蔵の入口

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カンティーナの広々とした空間

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勢ぞろいしたConte Leopardi Dittajutiのワイン

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夕食の後は伯爵と写真撮影を楽しんだ


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篠 利幸

1977年初渡欧、画家としてしばらく活動後、イタリアの写真を撮り始める。書籍、雑誌等で写真と文筆の両面で活動、「田園のイタリアへ!アグリトゥリズモの旅」(NTT出版)、「トスカーナの青い空」(東京書籍)など著書多数。 新ブログスタートしました→http://blogs.yahoo.co.jp/fotombra

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