芸術と美食の旅・北イタリア、ピエモンテを行く トリノのカフェ文化

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サン・カルロ広場にあるカフェ・トリノのオープン・テラス

イタリアが好きで食通を自認する人であれば、トリノと聞けば、カフェとチョコレートの街というイメージがすぐに湧くに違いない。コーヒー文化の発祥はヴェネツィアで現存する最古のカフェは1720年創業のサン・マルコ広場にあるカフェ・フローリアン。その前身となるボッテガ・デル・カフェは1600年代の終わりには誕生していた。トリノで一番古いと伝えられているカフェは1763年に誕生したカフェ・アル・ビチェリンである。エスプレッソとチョコレートとたっぷりの生クリームを合わせ、小さなコーヒーカップ、ビチェリンに入れたとても甘く、温かい飲み物だ。初代イタリア首相のカヴールの好物のひとつでもあった。トリノのカフェ文化はこのカフェ・アル・ビチェリンから広まったと言えるだろう。
 4月の取材ではサン・カルロ広場にあるカフェ・トリノ、カステッロ広場のバラッティ&ミラノ、ヴィットリオ・エマヌエーレ二世通りのプラッティなどを訪ねた。

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1903年創業のカフェ・トリノ

チェーザレ・パヴェーゼも愛したカフェ・トリノ
サン・カルロ広場には1828年創業のカフェ・サン・カルロがあるが、その並びにあるカフェ・トリノはそれよりも5年若く、1903年の創業である。店の入り口の歩道の床には真鍮を雄牛の形に象嵌したトリノのシンボルがあり、その雄牛の後足の間にあるものを踏むと幸運が得られると伝えられ、そこのところが妙に磨耗している。店に入ると長いバーカウンターがあり、その上を見ると緑のイルミネーションの中に雄牛の像が飾られている。ここには作家のチェーザレ・パヴェーゼや1945年から53年まで8年間の最長在任歴を達成したデ・ガスペリ元首相ら著名な人々が常連であった。もっとも、カフェはトリノ以外のヴェネツィアやフィレンツェなどでも政治家や文化人が集まるサロンとして18,9世紀から利用され、そのカフェでの歓談の中から歴史的な出来事や芸術のアイデアが生まれたりしている。だからこそカフェを文化とも言えるのである。

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奥行きのあるカフェ・トリノの店内

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バー・カウンターの上に飾られているトリノのシンボルの雄牛の像

カフェ・トリノの内部は長いカウンターとテーブル席にドルチェを並べたショー・ウィンドーのあるカフェ部分とその奥の右手にレストラン部分があり、2階にはパーティや会議などに使われるサロンがある。お昼に軽い食事をとレストランの方へ案内されたが、日本ならばちょっとした高級レストラン並みの豪華な内装で、シャンデリアがきらきらと光を放っているがそれも控えめ、全体としてはいたってシック。ゆるやかな曲面の天井のせいか圧迫感もない。午後2時をまわっていたせいか、他の客はご婦人がひとり、奥に熟年のカップル、そして取材の我々4人であった。
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カフェ・トリノのリストランテ

カメリエーレとバリスタこそが店の顔
イタリアの飲食店で常に快く感じるのがバールやレストランのフロアーサービスのスタッフ、すなわちカメリエーレ、バールであればバリスタの仕事ぶり、接客態度である。格式のあるレストランや品位をわきまえたカフェであれば、それなりにエレガント、しかし、慇懃無礼にならず、客を自然とリラックスさせ、無駄の無い動きで仕事をスマートに済ませる。よっぽど暇な店ならいざ知らず、店内をだらだらと気だるそうに歩く姿を見たことが無い。バリスタの動きなどはよりスピーディで小気味良いくらいだ。50代、60代の熟年の男性が働いているのもイタリアでは当たり前だ。カフェ・トリノのカメリエーレも若い青年であったが、とても感じが良かった。運んできたアニョロッティの皿には保温のために銀製の丸い蓋が被せてあり、それをおもむろに取って、パルミジャーノ・チーズを摩り下ろす。簡単な作業だが、その背筋の伸びた姿勢やしぐさのひとつひとつが絵になる。彼もまた20年、30年と経験を重ねて、このカフェの伝統を伝える役割に誇りを持った人生を歩むに違いない。

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カフェ・トリノのカメリエーレ

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ピエモンテを代表する料理のひとつ、アニョロッティ

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バラッティ&ミラノ

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バラッティ&ミラノがあるガレリア・スバルピーナ

バラッティ&ミラノのバリスタ
20年ほど前、初めてトリノを訪れた時に、最初に入ったカフェがバラッティ&ミラノであった。いつもイタリアからの帰りに空港で買っていたチョコレートのジャンドゥイアがこの店のもので馴染みがあったからだ。トリノにあるのに何故、ミラノという名前が入っているのだろうかと当初は訝しく思っていたのだが、トリノの店を訪れてみて創業者のフェルディナンド・バラッティとエドアルド・ミラノの名前であると分かった。バラッティ&ミラノは創業が1858年、当時はドーラ・グロッサ通りとファブロ通りの交差する角にあったそうで、1873年にスバルピーナのガレリアが出来てから1875年に現在の場所に移転してた。カステッロ広場のほぼ正面に位置する好立地で、右手の扉を押し中へ入るとアールヌーヴォー風のエレガントなバー空間があり、カウンターや見上げた天井の装飾にしばし見とれた。このバーカウンターを飾るのはトリノを代表する彫刻家エドアルド・ルビーノ(1871-1954)のブロンズ作品である。トリノオリンピックの2,3年前に来た時にはこのバンコでカッフェのサービスをしていたはずだが、現在、このスペースは使われていないようだ。左手、ガレリアに面して広々としたカフェ・スペースがある。

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エドアルド・ルビーノのレリーフが美しいバーカウンター

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見上げると天井の装飾にもため息が

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長いバーカウンターがあるカフェ

カフェ・スペースは右手に長いバーカウンターがあり、ガレリア側にテーブル席が2列づつ整然と並んでいる。今回はタイトな取材スケジュールの合間でもあるので、とりあえずカフェ・マッキアートだけを注文する。チンバリー社製の大型のエスプレッソ・マシーンでシューシューと蒸気の音を立ててバリスタがエスプレッソを入れる仕草をじっと見つめる。真っ白でドレッシーなシャツに黒い蝶ネクタイ、黒いジャケットできちんと身なりを固めたバリスタのよどみのない動き。カウンターの上にそっと置かれたカフェは自分の仕事に誇りを持った姿勢が一杯の小さなカップの中にも反映されているかのように、格調高い香りがした。写真を撮らせて欲しいと言うと、カウンターの上に軽く両手を広げて着き、柔和で自信に溢れた笑顔を見せてくれた。

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由緒あるエレガントなカフェにふさわしいバリスタ

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創業当時のシンボルであったキャラメルの包みのデザインを帽子にした広告のポートレート

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コメント (4)

☆⌒(*^-°)v Ciao!!

こちらも愛読しています♪


お体に気をつけて♪

実はσ(^_^)は3月~4月の2週間不覚にも入院!

風邪をこじらせて肺炎&胸膜炎でした!

おかげで”入院ダイエット?!”(病院食)で7㌔の減量に成功しました。 (^m^)プッ

今はリバウンドしないよう毎日体重計にのるだけの

レコーディングダイエット継続中です。


ではでは(^.^)/~~~


(^-^)ニコ

てりぃ~

Teryさん、相変わらず優雅に酒と薔薇の日々かと思っていたら入院していたのですか?でも、風邪だったら酒や薔薇が原因ではありませんね。ニュースには登場していなかったからメキシコ産のウイルスではなさそうでよかったです。僕もAZのH君から先夜、散々お腹にダメを出されました。バリック漬けのワイン嫌いなのに自分がバリックになっちゃって。トノーになるまえに、いやトノーの中に納められない前に僕もバリック脱出を心がけます!お互いにアラカンだもねぇ。気持ちはいつも少年のようでありますが・・・

ギャハハハッ。゜(゜^Д^゜)゜。

バリックの上の”トノー”ですか?!

注意してね♪

(^-^)ニコ

( ^^)/ロ≧☆チン!≦ロ\(^^ )


てりぃ~

てりぃ~さんのブログでヨットの上のポートレート見ましたよ。ほんとにスマートになってますねぇ。僕やトノーほど太るというのではなく、バリック以上になったらトノーの棺に入れられちゃうなとね。まぁ、病気になって痩せるつもりはないですから、なんとか頑張りますよ。夏はジャケットでも隠せないしね。とにかく、ピエモンテはワイン、チーズ、サラミ、チョコレートなどなど、過ぎれば肥満の種?レオナルド・ダ・ヴィンチいわく、酒は毎日、少しづつ・・・

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篠 利幸

1977年初渡欧、画家としてしばらく活動後、イタリアの写真を撮り始める。書籍、雑誌等で写真と文筆の両面で活動、「田園のイタリアへ!アグリトゥリズモの旅」(NTT出版)、「トスカーナの青い空」(東京書籍)など著書多数。 新ブログスタートしました→http://blogs.yahoo.co.jp/fotombra

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