北イタリア、ピエモンテを行く ポー川の流れる街、トリノ

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ラ・モーレからポー川河岸を望むパノラマ

世界の名だたる大都市は川とともに生きている。パリにはセーヌ、ロンドンにはテムズ川が流れるように、イタリアの都市、ローマにはテヴェレ川が流れ、フィレンツェにはアルノ川が流れる。そしてトリノにはポー川とドーラ川が流れている。ラ・モーレの上から東の方に目をやると左手にスペルガの丘が見え、その下を緑の木々が茂り北から南へと伸びている。その並木の中に丸いドームの建物が見えるが、それはグラン・マードレ・ディ・ディオ(Gran Madre di Dio)教会で、ナポレオンが失脚した後、サヴォイア家の復権を記念して建設された19世紀初頭の建築でローマのパンテオン神殿をモデルとしている。その教会の前にはヴィットリオ・エマヌエーレ1世橋があり、トリノ市内のマダマ宮殿からここまで一直線にポー通りが走っている。

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路面電車、トラムが走るポー通り

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ポルティコと呼ばれるアーチが連なるアーケードの歩道は雨の日には傘要らずだ

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大学も近いので若者も多い

ポー通りは川に向って緩やかな下り坂になっており、トラム(路面電車)も走る車道の両側はポルティコ(アーケード)の歩道がポー川に沿ったヴィットリオ・ヴェネト広場まで続いている。この通り沿いには有名なカフェやショッピングが楽しいブティック、書店などがあり、また大学もあるため若者たちも多い。夜になるとけっこう遅くまで散歩を楽しむ恋人たちや若者たち、家族づれなど人通りも多く賑やかだ。

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土日は特に夜になっても散策する人が多いポー通り


ポー川の岸辺を上流に向って歩くと中世風の城が見えてくる。1884年の万博の時に中世の城のスタイルを模して建てられたもので、現在は手漉き紙の工房や中世にちなんだ土産物などを売る店が並び、フレスコ画で飾られた教会もあり、時々、結婚式が行われたりするそうだ。

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"中世村“(Borgo Medievale)の城門

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レンガの壁には昔風の壁画が描かれ、タイムスリップした感じだ

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教会の壁にも色鮮やかに壁画が描かれている


その中世村の手前にはイドロヴォランテ(飛行艇)という名前のレストランがあり、ポー川の上にテラス席を設けているので、暖かな春から秋にかけて、ポー川の眺めを楽しみながらピエモンテ料理を味わえる。訪ねた時間がランチタイムが終わった時で、客もいないテラスの屋根に鴨が川から上がって来て、乗ったり下りたりして遊んでいた。店内の壁は1メートルほどの高さまでポルトガル製のタイルが張り巡らされているが、上流で大雨が降ったりするとポー川の水かさが増してその高さまで冠水するのでタイル貼りにしたそうだ。

少し下流にはヴァレンティーノ城というフランスの城を模した17世紀中庸の城があり、この辺り一帯はヴァレンティーノ公園と呼ばれトリノ市民の憩いの場所である。ローマやミラノにも広々とした緑の茂る公園は少なくないのだが、やはりトリノはフランス文化の影響が色濃いせいか、セーヌ河畔の公園のような雰囲気がある。

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レストラン、イドロヴォランテの入り口

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イドロヴォランテのテラスからポー川の眺め

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イドロヴォランテのテラス

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テラスの屋根に遊びに来る鴨

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ポルトガル製のタイルで飾られたイドロヴォランテの店内

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1884年の万博の時に建てられた中世風の城

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ヴァレンティーノ公園は市民の憩いの場所

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近年になり造られた大噴水

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大噴水を囲む彫刻


ポー川を更に遡るとモンカリエーリやニケリーノなど郊外の町があるが、モンカリエーリにはサヴォイア家のレアーレ城があり、ニケリーノの近くには屋根の上に大きな鹿の像を載せたストゥピニージ宮がある。ストゥピニージ宮は1730年にユヴァッラの設計で建てられた建物で、ヴィットリオ・アメデオ2世が狩猟を楽しむために建てた別荘なので、そのシンボルとして大きな角の雄鹿の像を載せているのだ。現在は往時の家具などをそのままに博物館として見学できる。ストゥピニージ宮の裏側へ回ると環状線とポプラの林の彼方にアルプスの山々が連なっている。その中に一際高く三角の頂上を見せているのが標高3,841mのモンヴィーゾ山で、ポー川はこの山の中腹、2,000m辺りに源流があり、アドリア海まで652kmの大河となって北イタリアを横断している。

ストゥピニージ宮とは反対のトリノ市の北西には"狩猟“という意味が語源のヴェナリア宮殿がある。今回の取材ではトリノの最初の晩餐会の前に訪れて見学する予定だったが、急に大統領がトリノを訪問しここに滞在することになったので、見学は出来なかった。またしても、秋の旅行に期待することにした。

トリノを去る最後の夜はカフェやジェラテリアで休みながらライトアップされた夜の街の美しさを楽しんだ。

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屋根の上に雄鹿のブロンズ像が目立つストゥピニージ宮

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ニケリーノから眺めたアルプスの峰々

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ポー川の源流を抱くモンヴィーゾ山。アメリカのパラマウント映画社のシンボルマークにもなっている

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17世紀にサヴォイア家が狩猟用の別荘にしていたヴェナリア宮

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4月25日のイタリア解放記念日のイヴェントで王宮前広場に集まった若者たち

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ライトアップされた純白の壁面が夜の闇に浮かび上がる王宮

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王宮広場からトリノ市庁舎に続くチッタデッラ通りの夜

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篠 利幸

1977年初渡欧、画家としてしばらく活動後、イタリアの写真を撮り始める。書籍、雑誌等で写真と文筆の両面で活動、「田園のイタリアへ!アグリトゥリズモの旅」(NTT出版)、「トスカーナの青い空」(東京書籍)など著書多数。 新ブログスタートしました→http://blogs.yahoo.co.jp/fotombra

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