サヴォイア家の伝統が息づく街、トリノにはどことなくフランス的な雰囲気がある。そんな佇まいをポルタ・ヌオーヴァ駅から北へ走るラグランジェ通りとアンドレア・ドリア通りが交わる辺りの建物を見て強く感じた。パリのカルティエ・ラタンやサン・ジャック界隈に似ている。ラグランジェ通りの左手にはカルロ・フェリーチェ広場がある。

ラグランジェ通りとアンドレア・ドリア通りが交差する角の建物はまるでパリの街角を彷彿とさせる
ラグランジェ通りの店の入り口で店番をする眠そうな犬
アンドレア・ドリア通りにはカーサ・デル・バローロ(バローロの家、www.casadelbarolo.com)と言う名前のエノテカがある。バローロと言えばイタリアが世界に誇る銘ワインだが、この店にはバローロばかりでなくピエモンテ各地のワインは当然、その他トスカーナからシチリアなどイタリア中のワインがある。店の1階には乾燥パスタやバルサミコ酢、蜂蜜とワインなどがあり、地下に降りていくと、ワイン好きなら思わずにんまりするような光景、四方の壁の棚にはイタリア各地のワインが並んでいる。
ワインについて熱く語るカーサ・デル・バローロのダミアーノさん
カーサ・デル・バローロの1階には白ワインや乾燥パスタ、バルサミコ酢、蜂蜜なども販売している
白ワインは1階で、地下には赤ワインがメインである。棚を隈なく見ているとカンパニア州、ソレント半島はアマルフィ海岸の銘酒を見つけた。マリーサ・クオーモ(Marisa Cuomo)という造り手のワインで、プライスを見ると36ユーロ。バローロと肩を並べる価格であるが、それだけの価値はあるワイン。ピエディ・ロッソ種とアリアニコ種を半々にブレンドして仕上げた高級赤ワインだ。
その棚から足元に目を移すと大きなボトルが置いてある。通常のワインの6本分はあるだろう、トリプル・マグナムのボトル。ワインはこれもまたピエモンテの名門、ジャコモ・コンテルノのバローロでヴィンテージは1961年だ。ワインの楽しさのひとつにはこのオールド・ヴィンテージを味わいつつ、時代の流れ、歴史の記憶に思いを馳せるところだ。これまでにも1960年代のワインを何度か飲んだことがあるが、通常はそう長熟ではないと言われていた昔のキャンティでさえも美味しかったし、このバローロも期待を裏切らないはずだ。
四方の壁の棚にイタリア全土のワインが並ぶ地下のカンティーナ
南イタリア、ソレント半島の名門マリーサ・クオーモの“FURORE”
ピエモンテを代表するバローロの生産者、ジャコモ・コンテルノのオールド・ヴィンテージ“Vino Monfortino 1961 Riserva”の大瓶
店の案内をしてくれたダミアーノさんもワインについて語りだすと泉の水が迸るように話が途切れない。こちらも好きだから一日中でも彼と話したいところであったが、今回は取材は短期集中であるが故に、続きはまた秋にでも再会したときにと挨拶をして出た。
オーガニックの素材から健康的且つ、味わい豊かな料理が楽しめるリストランテ“DIVIZIA”
“DIVIZIA”で日本の自然と伝統とテーマに写真展を開催
今回の旅ではちょうど取材期間に重なって2ヶ所で写真展を開催することになっていた。そのひとつがこのラグランジェ通り界隈から北へ数分歩いたところにあるサン・トンマーゾ通りにある”DIVIZIA”(http://www.divizia.it)というオーガニック農産物を使ったレストランで、カネッリにあるアグリトゥリズモ・ルペストル”Rupestr”(http://www.rupestr.it)のオーナー、ジョルジ・チリオのプロデュースだった。この店で食事もしたかったのだが、やはりそんな余裕はなく、ジェラートを味わってみたのだが、天然素材の味わいがそのまま凝縮されたもので、これまでに食べてきたジェラートの中では一番美味しく感じた。ここでの食事もまた秋の旅行で再訪したときのためにキープしておこう。
さて、その秋の旅行だが、詳しくはこのURL:http://www.delsole.st/travel_italy/toshitour_0910.pdf で詳しく案内されている。今回のピエモンテ取材とこれまでに重ねてきたピエモンテ取材で訪ねた町やアグリトゥリズモを体験したりワイナリーなどで美食と芸術と歴史を探訪するテーマで、後半は我が町ヴェネツィアもたっぷり満喫する。

