2008年06月23日

プーリアの旅・その1、マッセリア・サラミーナ

080623_01.jpg
マッセリア・サラミーナ

日本ではまだ肌寒く、そろそろ桜が咲き始めた頃、南イタリアのアドリア海沿岸の州、プーリアのツアーに行ってきました。料理が好きな人、美味しいものを食べるのが好きな人、ワインとお酒が好きな人、写真が好きな人など、まさに僕の企画したツアーにぴったりのメンバーです。

成田からアリタリア機でローマを経由してバーリ空港へ。到着すると旅の間をずっとバスで案内してくれる運転手のアレッサンドロが待っていました。僕も初対面、でも旅を楽しくするにはまず運転手さんと仲良くすること。シチリアのパレルモ出身でマルケのペーザロに住んでいるというアレッサンドロを荷物を積み込んでバスに乗り込むとすぐに皆さんに紹介。 旅の間も一緒に食事したり、とにかくまめなコミュニケーションで全工程順調でした。日本に帰国したら留守電にアレッサンドロからありがとうメッセージ、秋のシチリアも一緒に行こうと挨拶が入っていました。

080623_02.jpg080623_03.jpg
(左)樹齢2千年のオリーブの木の前で (右)アドリア海がすぐ目の前に

アグリトゥリズモの記事を初めて発表したのは94年12月に当時、新潮社から出ていた月刊誌「SINRA」でした。その時は別のアグリトゥズモを紹介しましたが、98年にその時の取材をベースに「イタリアの田舎に泊まる」という本にまとめるときに、新たにイタリア中を歩いて紹介する箇所を増やしました。サラミーナはこの時に紹介し、さらに2003年に「田園のイタリアへ!アグリトゥズモの旅」(NTT出版)を 出したときにも紹介しました。

080623_04.jpg080623_05.jpg
(左)アドリア海を望むプールに立つオーナー (右)サラミーナのシェフにより料理講習会

サラミーナの魅力はお城のような立派な建物、オリーブの林に囲まれ海を臨む自然環境、そして何よりもここのレストランの料理の美味しさです。オーガニックで生産される自家製のオリーブオイルもとっとも美味しく、現地で買えば7ユーロです。この価格、良質なオリーブオイルの現地価格としてはとてもリーズナブルですね。

080623_06.jpg080623_07.jpg
(左)キターラを作ってます (右)キターラの出来上がり

080623_08.jpg080623_09.jpg
(左)ラヴィオリの中身はほうれん草とリコッタチーズ (右)プーリアのパスタ、オレキエッテ

プーリアと言えば、オレキエッテという耳たぶの形と言われるパスタが有名ですが、ツアーの翌朝、さっそくシェフから料理の講習会でオレキエッテをはじめギターの弦を張ったような器具で平らに伸ばした面を切って作るキターラ、棒状にした面をナイフの先でくるりとひねり回して作るオレキエッテやラザーニャなどを作りました。通常、庶民のパスタには卵は使わないそうです。だから、オレキエッテも小麦粉と水だけ。キターラには卵を入れましたが、かつての貧しい農民には卵も貴重な食料で、特別な祝いや祭りの日の食べ物だったそうです。10時にスターとした講習会ですが、およそ2時間くらいで十数人分の料理が出来上がり、12時からランチを皆で楽しんで、午後はオストゥーニの町へ出かけました。(続く)


080623_10.jpg080623_11.jpg
(左)僕が作ったオレキエッテ、ちょっといびつ (右)ラザーニャを作ります。

080623_12.jpg080623_13.jpg
(左)講習会で出来上がった料理の数々 (右)友人の娘、ネネちゃんと一緒に

2006年07月20日

テヌータ・ディ・プラテッロ


 ピサあるいはリボルノからフィレンツェ方面へ小1時間ほど走ると、広々とした小麦やヒマワリ、トウモロコシ畑の間にオリーブの林と糸杉の立ち並ぶ典型的なトスカーナの田園風景の中に入ります。ヴォルテッラの道路標識が見えたら右折してしばらくすると右手にペッチョリの町が見え、左手には目指すアグリツーリズム、"TENUTA DI PRATELLO"
(www.pratello.it)
の看板が現れます。敷地内の道を入っていくと小さな礼拝堂のような建物が目に入ります。素焼きの大きな鉢にはレモンやオレンジの木が実をたわわに着け、辺りにはラベンダーの香りが強く漂っています。明るいベージュの壁に緑の鎧戸、オレンジ色のレンガや瓦が周囲の緑とあいまって見あげる青空がいっそう青く、高く感じられます。


この農園は1700年代の貴族の別荘で、現在の持ち主は代わっていますが、礼拝堂に
見えた建物は先代から受け継がれた霊廟で毎年、その家族が墓参に来るそうです。こ
礼拝堂そのものは1600年代のものだそうです。農園ではオリーブを主に栽培しオイルを生産しています。オイルの品質としてはまあまあですかね。広大な敷地内には軽飛行機用の滑走路やヘリポートがあり、空からも訪れることができます。そういえば、この周辺ではパラグライダーなど空のレジャーが盛んなようでした。宿泊する建物からの眺望は素晴らしいですね。また庭も広々としていて、ゆったりとした田園の時の流れを満喫できます。

宿泊料金はローシーズンでツイン1泊朝夕食付き120ユーロ、ハイシーズンで180ユーロです。これが一週間単位だとローシーズンで720ユーロ、ハイシーズンで1,080ユーロ
ここをベースにヴォルテッラやピサ、ルッカ、あるいはフィレンツェやサン・ジミ
ニャーノあたりまで足を伸ばすのもいいですね。ただし、車は必要ですから、レンタ
・カーをピサかフィレンツェの空港から利用するとよいでしょう。



テヌータ・ディ・プラテッロの一番の魅力はよく手入れされた庭と各部屋ですね。イタリアのアグリツーリズムを知らない方が初めて来たら、これが農家の宿かと思うでしょう。もっとも、イタリアのアグリツーリズムにはピンからキリまでいろいろあって、けっこうゴージャスな居住空間のところも少なくありません。これが我が家だったらいいのになぁ・・・と、まあ、たまにはこんなところで1,2週間をのんびり過ごすのはいかがでしょう。マネージングを任されているClaudia(クラウディア)さんもとっても気さくでいい感じです。


テヌータ・プラテッロには140平米の大きなプールがあります。といっても日本の観光客にはさほど珍しくもないのですが、イタリア人やドイツ人、フランス人は田園の中のプールが大好きみたいですね。

プール・サイドには簡単な料理を提供できる設備もあり、野外での食事を楽しむこともできます。取材で行ったときには簡単なお米のサラダとか生ハムにモッツァレッラチーズとか、あまりこの農園の特色は感じませんでしたが、味はなかなかいいものでした。

面白かったのはいつもプール・サイドにいる3匹の犬たちで、誰かが水に飛び込むとけたたましく吠えながらプールの周りをくるくると駆け回るのです。それを見ているだけでも可愛くて滑稽でした。


トスカーナの大空を舞うパラグライダー

2006年05月02日

カステッロ・ディ・ルッツァーノ


この間はカステッロ・ディ・ロッツァーノのワイナリーを紹介しましたが、ここのワイナリーでもアグリトゥリズモを運営しています。このワイナリーがロンバルディア州とエミリア・ロマーニャ州の境にあることは書きましたが、そこで関所のような役割をして通関の管理をしていた1747年創設の建物”ドガーナ(Dogana)”をアグリトゥリズモの宿泊施設とレストランに改装しています。明るいブルーとイエローオーカーに彩られた建物の外装はシンプルですが、ひと度中に入ると、とてもチャーミングです。
 ベッドルームはそれぞれがことなる雰囲気のデザインになっていて、新婚旅行とか大人のカップルが静かにゆったりとした時をすごすにはピッタリではないかと思います。正直言って、取材した時にひとりで泊ったときにはちょっと寂しくなりましたね…。まあ、そんな寂しさもルッツァーノのワインとこの宿の料理がすぐに忘れさせてくれましたが。
 その美味しい料理を作っているのがイーナさんとピエトロさんのふたりです。おふたりはミラノの中心にあるソルフェリーノに住んでいて、車で通勤しています。ミラノからはそれくらい気軽に訪れることができる距離なので、ぜひ一度訪ねてみて下さい。そして葡萄畑を散歩したり、ピアチェンツァの町の散策を楽しんだら、この”ドガーナ”のレストランでゴージャスな料理とワインを味わい、そのままレストランの上にあるお好みの部屋でロマンチックな一夜を過ごして、爽やかな朝を迎えて下さい。
LA DOGANA
Luzzano、7 - 27040 Rovescala (PV)
Tel.0523-864961 Fax.0523-847549 
e-mail:dogana@castelloluzzano.it
http://www.castelloluzzano.it



アグリトゥリズモ、ラ・ドガーナは各部屋がそれぞれ異なったデザイン。愛らしいピンクが基調の部屋とシックなブルーが基調の部屋。あなたはどちらがお好みですか? 部屋はほかにもふたつあって、いずれも一度は泊ってみたいと思わせます。一度だけではなく何度か通って、その都度部屋を変えて楽しむのもいいですね。








”ラ・ドガーナ”の1階は寛ぎのサロンとレストランがあります。レストランでは地元の食材でとても美味しい料理が味わえます。今日はハムやサラミの前菜の次に、リコッタ・チーズとほうれん草を中に詰めたラビオリや豚肉のロースト、そして旬のイチゴを間に挟んだ特製ティラミスなど。ワインはもちろんカステッロ・ディ・ルッツァーノのワインを自由に選べます。


3月にピエモンテからヴェネツィアまで一緒に旅をしたワイン好きの仲間たちもここの料理に大満足。後ろに立っている中央の3人の右側からここの主、ジョヴァネッラ・フガッツァさん、ラ・ドガーナを任されているイーナさんとピエトロさんです。

2006年01月28日

アグリツーリズム 「シチリアのアルカラ」

 シチリアの第2の首都と言われるカターニアから西へ30分ほど車で走ると“アルカラ”というオレンジ農園のアグリトゥリズモがあります。22ヘクタールの土地には見慣れたブロンド種のオレンジやシチリアならではの中身が赤いタロッコと呼ばれるオレンジの他に、マンダリン、レモン、グレープフルーツなどの柑橘類を種に栽培している農家です。僕がここを始めて訪れたのは94年の9月でしたが、昨年の8月に久々に訪ねました。季節的にはまだオレンジが熟れて実ってないのですが、レモンの中には夏に実るものもあり、またオレンジとマンダリンを掛け合わせたものなどもあります。
 初めてこの農園を訪ねて感動したのはオレンジの花のハチミツでした。シチリアではザガラと呼ばれるオレンジやレモンの花から蜜蜂がせっせと集めた蜂蜜ですが、そのえもいえぬ香りたるや、ヴィーナスの薄絹を思わせる甘く優雅な香りです。これと大変良く似た感じが甘いマスカットなどの葡萄の果汁でした。しかし、それはあくまでも似ているだけであって、ザガラの香りには脳髄に染み込むような陶酔感をもたらせます。ある時、深夜のアウトストラーダをシチリアの友人の車で走っていたとき、街燈の少ないところでヘッドライトを消して真っ暗闇を走ったとき、運転していた友人が窓を開けろというのでおもむろに開けたとたんにそのえもいえぬ甘い香りがフワッと車の中に充満し、僕は宙に浮いたかのようなここち良さでした。

 シチリアに行くとたいがいはこのザガラのハチミツを見つけることが出来るのですが、アグリトゥリズモ、アルカラのハチミツは別格です。ハチミツの瓶の蓋を開けた瞬間に、まさにザガラそのものの香りがハチミツに溶け、封じ込められているのです。そしてもうひとつのお目当てはオレンジのママレードです。これもまた、香りと味わいの深い素晴らしいもので、カターニア近辺に来たときには必ずこのアグリトゥリズモ、アルカラに立ち寄ることをお薦めします。EUの取り決めで、アグリトゥリズモの製品は貿易の商品として輸出できないという制約があるそうなので、ここに観光に来て手土産にするしかないのですが、その目的のためだけにシチリアを訪れ、このハチミツをゲットするだけでも満足できるでしょう。
写真はオーナーのアンナ・サプッポさんが園内で一番葉が大きくなるオレンジの葉を見せてくれたところですが、この木は何度か接木をしていますので、元の木の幹がとても大きくなっていますね。

Agriturismo ALCALA
Loc.Terrebianche-S.S.192km 78-95045 Misterbianco(CT)
tel:368-3469206
e-mail:alcala@virgilio.it
http://www.omnia.it/alcala/



これがアルカラ自慢のハチミツとママレード。一生に一度はこれを味わいたい、と思うほどの素晴らしさです。

アルカラには4棟のアパートメントがありますが、いずれも自炊できるアパートメント形式です。しかし、時にはここを訪れた観光客の人たちがそれぞれの手料理を持ち寄って、かつてワイン蔵だったところで一緒に食事を楽しむこともあります。

昨年の8月に訪れたときにはすでに実っていた早生種のレモン。以外に甘味があり、果汁を炭酸水で割って飲むと疲れがいっきに消えました。


今ごろはこんな感じでオレンジを収穫できます。中身が赤いタロッコ種はもっと遅くて3月から4月だそうです。それにしても、花まで同時というのは不思議、さすがにシチリアですね。

2006年01月16日

アグリツーリズム 「マルヴァリーナ」


 ウンブリア州はイタリアの緑のハートと呼ばれるそうですが、ローマから列車に乗りテヴェレ川沿いに走り、オルテを過ぎた辺りから車窓から見える緑が深くなっていきます。テルニ、スポレート、フォリーニョと進むに従い、車窓からはなだらかな山の斜面にオリーブの茂みが目立ち、その中腹や稜線には小さな街並みや古城が見えたりします。フォリーニョから列車は左へ曲がり、しばらくすると右手にスペッロが見えてきます。エトルリアやローマ時代の名残がある町ですが、最近はおしゃれなワイン・バーなども出来ています。サンタ・マリア・マジョーレ教会のバリオーニ礼拝堂の床に敷き詰められたマヨルカ焼の絵タイルが見事です。この絵タイルも近郊の陶器の町デルータの特産です。列車は右手にスバシオ山を眺めながら進み、やがてアッシージに到着します。
 アッシージは聖人、サン・フランチェスコの生まれた町として世界各国から巡礼者や観光客が絶えませんが、サン・フランチェスコ大聖堂の1階の壁面はジョットーが描いたサン・フランチェスコの生涯のフレスコ画に覆われています。アッシージ近郊の石はピンクがかった明るいベージュなので、その石を積み重ねて築かれた町全体が明るくやさしい印象です。アグリトゥリズモのマルヴァリーナはスペッロとアッシージのちょうど中間の森の中にあるオリーブ農園です。その他、野菜や果物も生産していて、オーナーのクラウディオさんのお母さん、マリアさんが毎日おいしい郷土料理を作ってくれます。また、乗馬や夏には水泳も楽しめるプールもあり、毎年、世界各国からたくさんの宿泊客が訪れています。

Agriturismo Malvarina:
http://www.umbria.net/malvarina


お母さんのマリアさんの料理は海外でも評判。今夜はラザーニャを作って自らサービスしています。夕食が始まるのが夜8時過ぎからなので、昼間はゆっくりと近郊の都市や名所巡りを楽しめます。一品づつの量はかなり大目なので小食気味の人は覚悟して夕食に臨みましょう。でも、ワインは飲み放題だし、おいしいのでいつのまにか全部食べてしまい後でウエストにびっくりするかもしれません。



オーナーのクラウディオさんとお母さんのマリアさん。レストランの厨房の隣にはマルヴァリーナ自家製のオリーブオイルやジャム、ハチミツなどを売っています。オリーブオイルはもちろんのこと、サクランボやイチジクのジャムなど絶品です。朝食にはこれらのジャムなどたっぷり楽しめます。


スバシオ山の中腹に横長に伸びたアッシージからはウンブリア平野を見渡すことができます。春は緑の麦畑の間に赤いケシの花の絨毯、夏にはヒマワリの畑が広がります。

2006年01月13日

アグリツーリズム 「サント・ステファノ」

 アカデミー賞を受賞したロベルト・ベニーニ監督、主演の映画「ビューティフル・ライフ(イタリア語題名、ラ・ヴィータ・エ・ベッラ)」の舞台ともなったアレッツォからほど近い町、カスティリオン・フォレンティーノ。この町にはベニーニも住んだことがあるそうだが、人口3千人ほどの丘の上の小邑ながら、この町の市庁舎前にはフィレンツェのウッフィツィ美術館やポンテ・ヴェッキオを通る回廊の設計者として知られるジョルジョ・ヴァザーリが設計したロッジャがある。
 その町を遠望する南の丘の斜面に、アグリトゥリズモのサント・ステファノの瀟洒な建物とそれを包むオリーブの林が茂っている。オリーブの木々の木陰には青や黄色に塗られた水蜂の巣箱が並び、母屋と離れの建物の周辺には充分に手入れをされたローズマリーやセージ、バジリコ、オレガノ、タイムなどのハーブが香りを放っている。その花々の蜜を求めてミツバチたちが飛び交っているが、サント・ステファノはオーガニックのハチミツやオリーブ・オイル、ワインなどを生産する農家である。
 農園の運営はアントニオと長男のミケーレの仕事で、奥さんのマリネッラはカスティリオン・フィオレンティーノの町中にウェディング・ドレスのアトリエを営業している。しかし、彼女の手料理の上手さは抜群で、基本的には自炊のアパートメント形式の宿だが、少人数で時間があれば、マリネッラの手料理を家族と一緒に味わうことができる。環境の素晴らしさと家族の温かなもてなしで、ここにしばらく滞在すれば、どれほど都会の仕事で疲れた人間でも日々の憂いは消えうせ、心身の健全を取り戻せるに違いない。

Agriturismo Santo Stefano
http://www.agriturismosantostefano.com
日本語代行:italiabussan@libero.it
住所:Loc.Pieve di Chio,78 - 52043 Castiglion Fiorentino (Arezzo)


ミツバチは日に60Kmから80Kmの距離を飛び、巣箱と花の蜜のあるところを往復する。寒さやちょっとした農薬でも死んでしまうとてもデリケートな昆虫だ。長男、ミケーレが最新の注意をはらって飼育するミツバチからは極上のオーガニックのハチミツを分けてもらえる。


サント・ステファノが造っているハチミツはおよそ20種類。定番のアカシアや百花、栗やアーモンド、エリカ、野ばら(ローザ・カニーナ)、ミルトなどの花の蜜のほか、百花などのハチミツに天然のオレンジや野イチゴ、へーゼルナッツのクリームをミックスしたものがある。ちなみに、僕の一番のお気に入りは野イチゴとローザ・カニーナ、そしてメラータと呼ばれる、木の樹液をミツバチが集めた貴重なもの。これらといろいろなチーズに合わせて楽しむのである。

2005年12月31日

アグリツーリズム 「サンタ・ヴィットリア」

 イタリアでもトップランクのオリーブオイルを生産するSanta Vittoria(サンタ・ヴィットリア)農園はアレッツォから南へ25KmほどのところにあるFoiano della Chianaにあります。オーナーは弁護士で仕事というよりも趣味みたいに楽しんでいるので、量よりも質と徹底しています。その甲斐合って毎年SOLなどいろいろなコンテストで賞をとっています。
オリーブのほかにワインも造っていますが、このワインも素晴らしいものばかりです。一昨年のヴィニタリー(毎年、ヴェローナで開催されるイタリアワインの博覧会)ではシチリア原産のネロ・ダヴォラを使って原産地顔負けのワインを作っていました。近年の地球温暖化でイギリスでも賞を取るようなおいしいワインが作られているそうですから、トスカーナでシチリア原産の葡萄が作られてもおかしくはありませんね。
 サンタ・ヴィットリアのアグリトゥリズモはキッチン付きの家を貸しているだけでレストラン設備などはありません。もちろん、自慢のオリーブオイルやワインは買えますから、のんびりとトスカーナの優雅な休日をエンジョイしたい方にはお薦めの宿です。それぞれ部屋によって壁の色彩やデザインが異なっていて、オーナーの一人娘マルタさんが運営を任されていますが、マルタさんのお母さんは趣味とは言えないほどの腕前の画家で、彼女が描いた絵が壁面や家具を彩っています。
 1泊の料金は4室あってベッド数によって70ユーロから135ユーロ、1週間単位なら400ユーロから900ユーロ前後で利用できます。フィレンツェに住んでいる日本人のパートナーがいるオーナーの友人が予約の代行をしてくれますので、問い合わせなども日本語で大丈夫です。
e-mail:italiabussan@libero.it(Andrea Battaglini)。直接コンタクトを取りたい方はhttp://www.fattoriasantavittoria.comサイトを見てください。

イタリアでもトップランクのオリーブオイル。オリーブオイルの品質の高さを示す目安となる総合酸度が0.10%以下という驚異的な数字です。殺虫剤など農薬を使用しないオリーブ園は標高300mの丘陵にあり、11月までに収穫され、48時間以内に搾油されます。非常に繊細でエレガントな味わいながら1,2年を経過しても風味が変わらないのは酸度が低いからこその高品質だからです。


サンタ・ヴィットリアのオリーブ。葡萄はあるていど寒さに強いが、オリーブの栄養源はとにかく太陽。1985年にトスカーナを襲った寒波でほぼ全滅した木を新たに植林し、現在は2400本が栽培されている。

サンタ・ヴィットリアが生産するワインの代表的存在、グレケット種で作られる白ワイン。その他の白ワインにはトレッビアーノ、マルヴァジアがあります。赤ワインにはサンジョヴェーゼ種、カベルネ・ソーヴィニョン種、メルロ種、ネロ・ダヴォラ種を使用した赤ワインがあり、いずれも秀逸です。

2005年10月10日

お城のワイナリーのアグリトゥリズモ

 「ワインと食」のところで、フィレンツェ郊外にあるカステッロ・デル・トレッビオを紹介しましたが、ここでは素敵なアグリトゥリズモも運営しています。イタリア語でアパルタメントと呼ばれる一軒やをまるまる借りて自分の別荘のように数日間、あるいは数週間を過ごします。欧米ではバカンスと言えば最低1~2週間、長ければ1ヶ月以上も休暇を楽しむことができます。そんなわけで、アグリトゥリズモのほとんどは1週間単位で予約することを基本条件にしているところが多いのですが、週末の金土日なら3泊でもOKという場合もあります。

 カステッロ・デル・トレッビオにはアパルタメントが5つあって、それぞれにベッドが4つから7つ入っていますので、家族や友人たちのグループで利用することができます。料金は1週間単位で740ユーロから3350ユーロでまるまる1軒が借りられますから、家族やグループならとても経済的です。もしも1日単位で利用したいのであれば、2泊以上が条件ですが、1日につき50ユーロです。もしも、フィレンツェのホテルに泊ったとしたら2倍以上になるでしょう。


かつてオーナー夫妻が新婚当時に使っていたという寝室

 ただ、日本の旅行者にとって問題なのは車がないと交通アクセスはとても不便なことです。もっとも最近はレンタカーを利用して自由に旅をする方も増えているので、そういう方にはアグリトゥリズモは大変お薦めですね。とにかく朝、目覚めたときの田園の空気の美味しさ、小鳥たちの囀り、木々の緑や抜けるような澄み切った青空。そして夜になれば満点の星。それだけでもリフレッシュできますし、その上、ワインや郷土料理を存分に味わえたり、料理教室や陶芸、絵画、あるいはイタリア語のレッスンなどもあります。訪れる季節としてはやはり4月から10月か11月の上旬がお薦めです。


メディチ家のロレンツォとジュリアーノの暗殺を企てたパッツィ家の城

それから言葉が心配と言う方も多いと思いますが、ほとんどのアグリトゥリズモでは英語を話せる人がいます。カステッロ・デル・トレッビオでも問題ありません。ぜひ、次回の休暇はトスカーナの田園の中で過ごしてみてください。詳細はサイトでどうぞ。
Castello del Trebbio
www.vinoturismo.it

メディチ家のロレンツォとジュリアーノの暗殺を企てたパッツィ家の城。この城の地下に、カステッロ・デル・トレッビオのワイン蔵がある。

2005年09月27日

アグリツーリズムでイタリアの田園を満喫する!

イタリアの魅力はローマやフィレンツェ、ミラノといった大都市ばかりではありません。むしろ、その大都市の周辺に広がる田園やそこに点在する小さな町や村にこそ、イタリアのほんとうの味わいがあるのだと言えます。そうした田園の魅力や郷土料理を存分に味わえるのがアグリツーリズムです。

 アグリツーリズムは80年代後半から注目され始めた農園に宿泊する新しい旅のスタイルで、イタリア語で農業を意味するアグリコルトゥーラ(Agricoltura)と観光を意味するトゥリズモ(Turismo)を合わせた造語で、イタリア語風に発音すればアグリトゥリズモ(Agriturismo)と言います。
 そもそもは60年代に北イタリアで冷害が続いて農家が窮していた時期に、労働運動のグループが農家の主婦たちに呼びかけて空いている部屋と手料理を旅人に提供し、家計の助けを得られるようにと働きかけたのが始まりでした。
 80年代に入ると世界的に環境問題に関心が高まり、人びとの意識が田園の休暇や生活に向き始め、急速に発展してきました。
 85年にはアグリトゥリズモ法が制定され、農家の経営はあくまでも農業が主で、アグリトゥリズモの収入は農業による収入を超えてはならないとか、運営も家族とその親類に限り、アグリトゥリズモのために人を雇ってはいけない、また宿泊客に提供する料理の食材やワインなどは指定区域内で生産されたものに限るなどの条件があります。とくに環境に関わる条件は厳しく、建物の増改築や造園についても周囲の景観や歴史的な遺産の保全を第一に調査が行われ、行政の許可が下りないと出来ません。だからこそ、イタリアならではの地方色の豊かな風景や郷土料理を楽しめるのです。。

 写真のアグリトゥリズモはサルヴァドニカ(Salvadonica)という宿で、キャンティ地方のサン・カシャーノ近郊のメルカターレにあります。もともとは15世紀から続く貴族のコルシーニ家が所有していた農園を現在のオーナー、バッチェッティ家が購入し、オリーブや葡萄を栽培しキャンティワインを造っています。日中はキャンティのワイナリー巡りを楽しみ、夜は流れ星を幾つも数えながら静かなひと時を味わってみませんか。

SALVADONICA:Via Grevigiana,82,50024 Mercatale,Val di Pesa (Firenze)
Tel.055-8218039 Fax:055-8218043
E-mail:info@salvadonica.com
http://www.salvadonica.com


篠 利幸

1977年初渡欧、画家としてしばらく活動後、イタリアの写真を撮り始める。書籍、雑誌等で写真と文筆の両面で活動、「田園のイタリアへ!アグリトゥリズモの旅」(NTT出版)、「トスカーナの青い空」(東京書籍)など著書多数。 2004年11月、ヴェネツィアで写真展(www.toshi-shino.com)を開催した。

2009年07月

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

アーカイブ

RSSを取得