本当は怖いティキ像の話


ティキ像と言えばハワイのシンボル的な印象がありますが、実はティキってハワイ語じゃないんですよね。ハワイ語でTは使いませんから、ハワイではティキではなく、キイKiiというのが本当です。厳密にはキイは人を模した彫り物のことで、それが神像なら、アクア・キイというのだそうです。アクアは、ハワイ語で神のこと。ですから今話題のティキバーも、本来はアクア・キイ・バーと呼ぶのが正しいというわけ。ティキとは恐らく、タヒチ語なのではないでしょうか? ……それにしてもアクア・キイ・バーだなんて、何だか行く気がしない恐ろしげな名前ですよねえ。

このブログの中では、馴染みのあるティキという言葉を使わせていただきますが……。私はティキが大好き。なんだか[南海の楽園]のイメージと、[ハワイの不思議世界]という二つのイメージがドッキングした、そんな魅惑のイメージがティキにはあると思いませんか? そんなわけでこのブログのプロフィール写真(右上)にも、ナイスなティキ像の影に隠れる私の写真を使いました(ところで、これがどこのティキ像かわかりますか? わかった人はすごいハワイ通です!)。こんな私のため、ティキのイラストを用意してくれた編集のEさんにも感謝。

さて、前書きが長くなりましたが、そろそろ本題に入りましょうね!

古代ハワイではもちろん、広く、深く崇拝されていたティキ。ヘイアウ(古代ハワイの神殿)にはティキが10体以上もそびえ、その足元には、いつもおびただしい供物が供えられえていました。時には人間までも……。

中でもルアキニ・ヘイアウの中央に飾られる大きなティキは、アクア・へイアウと呼ばれ、ケタ違いの崇拝を受けていたそうです(ヘイアウには様々な種類があり、人身御供が供えられたヘイアウは、ルアキニ・ヘイアウと呼ばれ区別されていました)。19世紀のハワイの歴史家マロによると、アクア・ヘイアウを作る作業は、材料となる木を切るプロセスからして人間の生贄が捧げられる、重々しいものだったとか。

アクア・ヘイアウは、オヒアの木で作らなければならなかったそうです。そこで新たなルアキニ・ヘイアウを建てる前、村の酋長は、豚や魚、ココナッツ、バナナ、人間などのお供え物を用意し、カフナ(神官)らを連れて山に入りました。ティキ像を彫るのにふさわしい、立派な木を探すためです。

いよいよ良い木が見つかるとカフナは祈祷しながら木に近づき、酋長は豚を殺して、木に捧げます。次いでカフナが最初の枝を切り落とすと、今度は第2の供物として、人間が生贄にされたのだそうです(←一人目)。

オヒアの木を倒すと、さっそくクラフトマンがティキを彫る作業に入るわけですが、その間豚が焼かれ、宴会が開かれたとか。そしてティキ像が完成すると、また人間の生贄(←二人目!)がオヒアの木の切り株横に埋められ、一同はティキ像とともに、ヘイアウへと向かいました。

そこで出来上がったティキ像を建てるため、深い穴がヘイアウ前に掘られるのですが……もうおわかりですネ。その穴に三人目の人間の生贄が投げ込まれ、その上にティキ像が建てられたそうなんです。つまり一つのティキ像のために、なんと3人もの人身御供が……。恐ろしいですね~。こういうことを知ってしまうと、気軽に「私はティキが大好き!」なんて、公言できなくなってしまいます。

ちなみにハワイアン夫の実家は、ティキ像だらけ。軽く20体はあるでしょうか。というのも、カンサスの大学で彫刻を教えていた夫のハワイアン叔父は、ティキ像作りに情熱を傾けるウッド・カービングのアーティストでもあったからです。……この続きはまた次回。

怖いティキの話題の後でナンですが、メリークリスマス! 楽しい聖夜をお迎えくださいね。

コメント (6)

クレマチス:

ALOHA!
ちょっと生贄多すぎですよね。そんなに3人もしなくてもいいんじゃないの?
と、誰かが思っても言い出せない雰囲気だったとか。
でも案外信仰深い考えで、「名誉ある生贄」で納得ずくかも。
そう思ってティキを見るとすごく迫るものがありますね。

ホクラニ桜子:

ALOHA! 生贄、怖いですよね~。古代ハワイでの生贄は、名誉ある……って感じじゃなかったみたいですよ。殉教者ではなく、犯罪者や捕虜とかが生贄になったよう。犯罪者と言っても、禁断の食物を食べた、だとかそういう。
でも写真のティキは、生贄なくして清らかに作られた夫の主人の実家のティキなので、ご安心を!

Malu:

桜子さま ALOHA?
お友達が都内でTiki Barをもうすぐ始めるんですよ~
ホノルルのサンドアイランドの手前にある
Tiki Barが いい感じでお気に入りです。
なんでも日本の商社からの買収を何度もお断りしたらしい。

Big Islandsのホナウナウ歴史国立公園に行ったことがあります。
いろいろ勉強になりましたが ヘイアウってやはり何か怖いような
気がします。

ホクラニ桜子:

マルさん、こんにちは!
サンドアイランド前のティキバーって、ハーバーの前にある? もう10年くらい行ってないな~。名前すら忘れてしまいましたが、そうですか! 日本の会社が買収しようとした? それを断るなんてかっこいいですね~。
ヘイアウって、よい「気」の流れるヘイアウもあるとは思うのですが、う~ん、どうだろう。やっぱりどこも怖いのかもしれません。そのうちヘイアウのことも書かなきゃ、ですね。

Malu:

Tikiに関するお話 とても興味深く読ませていただいてます。
家にもMoney&LuckyのTikiを2体 祭っております。

ハーバー所のTiki Berの名前は La Marianaです。
オーナーのご夫人が毎晩 ちゃんとテーブルに
ごあいさつに出ていらっしゃいます。
くわしくは下記を
http://the.honoluluadvertiser.com/article/2001/Jul/16/il/il01a.html

ホクラニ桜子:

マルさん、貴重な情報、有難うございます! 
そうでした、ラ・マリアナでしたね。ノンビリしていて、古き良き時代のムード漂うティキバーでした。
今度、久しぶりに出かけてみますね。
まずはビショップ博物館で迫力のティキを見て、その後ラ・マリアナでビールでしょうかね(冗談)。

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ハワイ在住15年目。ネイティブ・ハワイアンの夫と小学生の息子&娘の4人家族。何よりもハワイアンカルチャー、ハワイの不思議世界が好き。

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