ハワイアンにとっての「ベツレヘムの星」

もうクリスマス目前ですね~。皆さん、クリスマスの用意は整いましたか? ハワイというかアメリカでは、クリスマス商戦も終盤。 日頃ケチなアメリカ人がここまでするのか、と思うほどギフトを買いまくり、親しい人ひとりひとりに贈る習慣があるのですもの。今やショッピングセンターは大混雑です。金額はかかっても、日本の正月はお年玉というキャッシュで話が済む分、ある意味楽かもしれません…。

前置きが長くなりましたが、今日はクリスマスの「ベツレヘムの星」にちなんで、ハワイアンにとってのお印、兆しのようなものをテーマにお話ししましょう。

イエス・キリストの誕生直後。聖書によれば夜空に大きな星が出現しました。それはこの世に救世主が現れたことを示す印し。東方の3人の賢者は星に導かれて、生まれたばかりのキリストを訪れたのでした。このベツレヘムの星は、まさに慶事の兆しだったわけですね。

よい兆しであれ悪いものであれ、ハワイ語でこういった兆しはHoailonaホアイロナと呼ばれます。ハワイアンは信心深い、つまりある意味迷信深い民族なので、ハワイアンにとりホアイロナは大変重要な概念でした。それも、悪い兆しを見れば旅程を変更して家路につくほどに、ホアイロナを重要視していたそうです。

19世紀、カメハメハ4世の妃、エマ女王がハワイ島を訪れていた時。遠くの海のうえでおかしな光が踊るのを見て、エマは「どうぞ私が戻るまで待っていて」と祈りながら、ホノルルに飛んで帰ったとか。すると案の定、義妹のルース王女が、息を引き取ったばかりだったそうです。ハワイ文化の権威、故メリー・プクイが紹介した逸話ですが、エマ女王の見た不思議な光は、なんらかの悪い兆しだったわけですね。

人の死に関する兆しはいろいろあり、たとえば古来ハワイではカフナ(古代ハワイの祈祷師)と占星術師にしか見えない、カネの星というのがあるそうです。この星は王の死の前兆。つまりベツレヘムの星とは正反対の星ですネ。カネの星が現れると王にすぐ知らせが行き、王は慎重に警護され、なるべく家から出なかったということです。

また薬草治療のカフナが往診の途中で、両手を身体の後ろで組む男に出会ったら。カフナはそのまま家に帰ったそう。それは「患者を治すことができない」という印しだったからですって! 同様に虹が目の前に現れたら、これも「家に帰れ」のサイン。危険が迫っている、もしくは親しい人の死が近いというサインだそうです。もっとも現れ方により、虹はよい兆しにも悪い兆しにもなったようですけどネ。

妊娠中、母に現れた兆しにより、ベビーの将来が占われるということもよくありました。カメハメハ大王を妊娠中、母はなぜか獰猛な鮫の目玉を食べたがり、やはりというべきか。ハワイ史上最強の戦士? カメハメハが誕生したのも有名な話です。

こういった話を、あまりに迷信的と考えると方も多いでしょうね? ですが、最近こんな話も聞きました。著名クムフラ(フラの教師)、サニー・チンから聞いた話です。カラカウア王の時代から代々クムフラを輩出しているサニーさんファミリー。子どもたちの間で、なぜかサニーさんだけが小さな頃からフラ以外にハワイの歴史、文化も叩きこまれたとか。

十代に入り、「なぜ僕だけが勉強しなきゃいけないのか」と不公平に感じたというサニーさん。そんなサニーさんがのちに聞かされたのは、サニーさんが生まれる前から「この子が跡継ぎになる」ということが、クムフラである祖母にはわかっていたのだそうです。なんらかの印しが現れていたわけですね。そしてその預言が正しかったのはもう証明済み。サニーさんは昨年から、史上最年少でメリー・モナーク審査員に任命されるほど、クムフラとして大成功を収めているわけですから。

このハワイ語でいうホアイロナ、まだまだ紹介したい例があるのですが、キリがないのでいつかまた日を改めて紹介したいと思います!

では皆さん、どうぞよいクリスマスをお迎えくださいね~。メリー・クリスマス!

コメント (4)

SONOKO:

独断と偏見で言えば、アメリカ本土はあっけらかんとしたイメージがあります。そのアメリカがハワイを大切に思うのはこんなに深い意味合いの上に暮らしが成り立っているからではないかと思いました。風光明媚だけならどこにでもありそうですが、土に沁み、空に見るたくさんの不思議を肌に感じる人たちはどこにでもは居ませんもの。お話をまた一つ、刻むことができました。クリスマスですね。よく晴れています。

ホクラニ桜子:

そのこさん、メリー・クリスマス! ホノルルも今日は快晴です。
そのこさんのおっしゃるとおり、ハワイ人気が昨今高いのは、その文化的背景のディープさも注目されてのことですものね。アメリカ本土でもフラはすごく人気だそうですよ。
これからもこうしたハワイの精神性が、世界で認められていくことを願ってやみません。
私も勉強しながら、いろいろ書いていきますね。

COZY:

Mele Kalikimaka!!

今回のも興味深いお話でした。
流れ星も自分に向かって流れてくるのは良いが逃げていくように流れていくのは
良くないことの前兆なんて言われますね。
昔の日本このような言い伝えや縁起を担ぐ事はたくさん有りましたが最近は
精神性にかかわる事は軽視されてるように感じますね。
古来より言われてる事は必ずその裏に何らかの教えがあったりするもんです。
欧米文化を受け入れつつ、古来からの精神性世界も文化として自分たちの中に
取り込んで大切に伝承していく事、日本人が忘れてしまったものがそこにあります。
日本人が失ったものを持っていること自体もハワイの大きな魅力のひとつでしょうね。

ホクラニ桜子:

コージーさん、メリークリスマス! ハワイは今日まさに25日です。
そういえば昔の日本には、本当に多くの迷信、縁起などありましたよね!
そういう日本古来のディープさを省みず、今は確かに、変な意味で欧米化が進んでいるのかも...。
そう、「科学万能」という変な意味で、ですねえ。
私は非科学的な部分に、この世の面白みがあると思うんですけどね!
ハワイのクプナ(シニア)のように、日本にシニアにももっと頑張ってもらい、
日本本来の良さを取り戻してほしいです。

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ハワイ在住15年目。ネイティブ・ハワイアンの夫と小学生の息子&娘の4人家族。何よりもハワイアンカルチャー、ハワイの不思議世界が好き。

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