クックの遺体に何が起こったか

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アロハエクスプレスの次号取材で、2月下旬、ハワイ島コナを訪れました。そう、コナコーヒーの取材です。ですが、キャプテン・クックが上陸し、後に殺されたコナのケアラケクア湾を通過しながら、私の脳裏に浮かんだのは…キャプテン・クックの遺体に何が起こったか? という不気味な(不謹慎な?)トピックでした!


1778年、クックがハワイ島に上陸した際、ハワイアンは当初クックをハワイ神話上の神ロノと勘違いし、大歓迎。ところが後々クック一行とハワイアンの間に行き違いが生じ、結果的にクックはハワイアンに惨殺されてしまったことは、「私はキャプテン・クックが嫌い」でふれた通りです。では、その後クックの遺体はどうなったのでしょうか?


それについては、実は1823年にハワイを訪れたイギリス人宣教師、ウィリアム・エリスがいろいろ書き記しています。エリスがハワイ入りした時、ハワイ島にはまだたくさん、「クックの殺害現場にいた」または「親戚や家族がその場にいた」という人々がいたそう。そこでクックの死についても、エリスは詳しく知ることができたのですが…。


それによると、クックの死の翌日。カフナ(ハワイの祈祷師)からイギリス人一行に返されたのは、クックの手など、ごく一部だったそうです。手はタパ布と、白黒の鳥の羽で作ったマントに包まれていました。クックの手には大きな傷があったので、すぐにクックのものとわかったそうです。一説によると、その手には塩漬けにされていたとか(なぜか、保存されようとしていたんですね)。


その後イギリス人の要請により、頭蓋骨や腕、足の骨が返還されましたが、顎や足の骨、肋骨などが欠けていました。しかもそれらは、肉をはぎとった骨だけ。…一般に見るとずいぶん野蛮な…と感じるでしょうが、「ハワイアンの遺骨」で書いた通り、遺体から肉を取りのぞくのは、古代ハワイの埋葬方法ですからネ。イギリス側はそれらを受け取って、水葬したということです。


この時返されなかったクックの骨について、イギリス人がハワイを訪れるたびに探しましたが、「骨はもう焼かれた」「紛失した」等々の情報しか入ってきませんでした。ただ、どうも真相は、クックをいまだロノ神と信じる一行により骨が隠された…ということのようです。ケアラケクア湾からずいぶん遠くにロノ神のためのヘイアウ(寺院)があり、そのヘイアウのカフナがクックの骨を守っていて、崇拝対象としていた模様。つまり御神体というわけですネ。


ロノ神のカフナは年に一度、島中を巡ってヘイアウへのお布施を集めましたが、その際、クックの骨も一緒に島を巡ったとか。しかしその後クックの骨がどうなったのかは、神のみぞ知る…。今もその行方はわかっていません。


…クックは怒れるハワイアンに殺されてしまったわけですが、それでもクックを白い神と信じ、死後骨が崇拝されただなんて…。ハワイアンの心情にも、なんだか複雑なものがあるようですネ。実際、エリスによればクックの死に関し、ずいぶんハワイアンたちも苦い思いをしたそう。話が前後しますが、その話題についても、いつかお話したいナと思います!


今日はなんだか、おどろおどろしい話題になってしまいました。先日コメントで「怖い話、不思議な話を」とのリクエストがありましたが、今日の話題は怖い…というより、ちょっと気持ち悪かったですね?(すみません)


次回は、なにか可愛らしい話でもご紹介しますので、お楽しみに~。

コメント (8)

COZY:

ハワイアンにとって骨は特別な意味を持ってるようですね。
最大の侮辱は墓を暴いて骨を盗んで武器を作ったりする事なんて
話も聴いた記憶があります。
骨が盗まれないように細心の注意を払って王族の墓は誰もわからない
洞窟の中とか有るとか言うことらしいですね。
クック船長らは純朴なハワイアンの勘違いを良い様に利用したイメージが
有って個人的にはあまり好きな人物じゃないんですよね。

ジングルベル:

JUNさんこんにちわ。
早速怖い話をありがとうございます。すごいですね~、手が塩漬けで、なんて!クック船長は、複雑ですね。亡くなった後、どんな思いで自分の遺体を見ていたのでしょうかね。次の人生ではどんな一生を送っているのでしょう?(すみません、勝手にもう生まれ変わっていると思い込んでます。)私はこの時代に生きていたら、たぶん怖い顔して一緒になって騒いでいたと思います。それで何もしないの(笑)。怖がりだから!JUNさん、いつも思うのですが、本当に沢山の事にお詳しいですよね。毎回とってもワクワクしながら読んでます。JUNさんと一緒に歴史的なところを巡ったら100倍楽しそうって思います。ご主人やお子様たちがうらやましい!これからも楽しみにしてます!また図々しくもリクエストしちゃいますが、幽霊関係の話やクイーンの恋の話とかあったらまたいつでも結構なので是非お願いします。本当図々しくてすみません!ではお体には気をつけて。

tiki:

JUNさんAloha~。
私もCOZYさんのコメントと同じことがマナカードの
お勉強の中に出てきたのを思い出しました。
マナカードに「IWI」というカードがあり、「尊敬」
というキーワードです。骨をさらけ出すことは「屈辱」
につながるので、人や自分への敬意を考えるという暗喩
です。それにしても手の塩漬け・・きっつ~!(笑)

JUN:

コージーさん、ALOHA!
キャプテン・クックについては、以前の記事で私も「好きじゃない」と書いたことがあります!
コージーさんのおっしゃるように、ハワイアンの誤解をさんざ利用して、という感じがありますものネ。
ですが今回、その死の瞬間の描写を読むと、クック自身は、白人とハワイアンの対立を止めようとしたその瞬間に殺されたような…。ハワイアン側も、その後すっごく後悔したような。
今では複雑な気持ちを抱いていて、もう一度そんなことについて書きたいナ、と思っています。コージーさんは興味おありですか? 

JUN:

ジングルベルさん、こんにちは~。
今回の不気味&怖い話、興味深く読んでいただけたでしょうか?
趣味ワル~なんて、呆れられてなければイイんですが…。
私もキャプテン・クックは生まれ変わっていると思います。もしかしたらハワイ州知事とかに?(なんちゃって)
別に私は物知りとかではないのですが、ハワイにいるとやはり、面白そ~なトピックスに日々出会います。調べようとすると、いくらでも資料にぶつかるのもウレシイ点かも…。
もちろん、ハワイアン夫&その家族からの生の情報が一番面白いのですけれど!

JUN:

ティキさん、ALOHA!
ティキさんはマナカードの使い手でもあるのですね~。
IWIという言葉、ハワイ語の唄にもたまに出てきますね?
やはり骨は古代ハワイでもっとも、尊いものだったのでしょうか…。
その尊いIWIを洗ったり乾かしたり? とかの作業はどう考えても気持ち悪い…と思うのは、現代人の感覚なのか。
ましてや塩漬けの手、なんて、どーでしょうねえ!?

COZY:

JUNさん、Alooooha!

ほほ~、興味ありますねぇ。
私が読んだ史実ではロノ神に間違われさんざん良い思いをした後、出港して船が座礁、
戻ってきた所クックがロノ神なんかじゃないと気付いていたハワイアンにさんざん騙した
報いとして殺されたと書かれていたように記憶してます。
別の真実があるなら物凄く興味ありますね。
JUNさん、宜しくお願いします。

それではA hui hou!!

JUN:

コージーさん、こんにちは~。
そうですか、興味おありですか? ウレシイです!
では、「またキャプテン・クック?」なんて言われないよう、ちょっと時間を置いてそのあたりの話を書かせていただいますネ。
チラリと申しますと、クックの殺害につき「あれは自分たちが悪かった」と感じるハワイアンもいるのですって。なにより、お互いに不幸なできごとだったようですね。
この続きはまた…。

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ハワイ在住15年目。ネイティブ・ハワイアンの夫と小学生の息子&娘の4人家族。何よりもハワイアンカルチャー、ハワイの不思議世界が好き。

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