「銃後の守り」はハワイになかった?

日本では昔よく、「銃後の守り」なんて言葉が使われましたよネ。男が戦場に赴いた後、妻たちが村や家族を守る…といった意味で。ところが古代ハワイの妻たちの役割は、日本とは大違いだった様子。時には妻も夫に同伴して戦いに出かけ、運命をともにすることが多かったのだそうです!


19世紀初頭のハワイに滞在したイギリス生まれの宣教師、ウィリアム・エリスによると、ハワイの女性はしばしば、水の入った瓢箪や食べ物を抱えて戦士たる夫に付き添ったとのこと。妻は夫の後ろに控え、夫が疲労したときには、サッと面倒を見れるように備えたのでした。もちろん、夫が負傷した時も同じこと。妻がかいがいしく介護したようです。


なかには夫の後ろではなく同列に立ち、左手に水入りひょうたん、右手には槍や石を持って戦った妻もいたのですって! ですが夫が戦死した後は、妻が生きて帰れることはマレだったよう。傍らで守ってくれる人がいなければ、いかなる猛女も戦場でサバイバルすることはできなかったのは当然ですね。


…つまりハワイでは「銃後の守り」ではなく、「死なばもろとも」だったワケです! ウ~ン、ハワイではまた、女性も勇猛だったんですねえ。あ、ただこれは当時のソサエティ諸島(タヒチ)でも、同じだったようですが。


ウィリアム・エリスは特に、マノナという誠実な酋長の妻の例をあげ、その勇気を讃えています。マノナの夫は、カメハメハ大王の甥のケクアオカラニ。カメハメハの死後の1819年、カメハメハ2世に宗教戦争を挑み、戦死した酋長でした。この時、妻のマノナも夫に付き添って出征し、その日、夫とともに終日勇猛に戦ったそう。


夫が敵の銃弾に倒れ、着ていたフェザーケープ(古代ハワイで王族だけが身に着けることができた羽毛のマント)で顔を覆って死ぬと…。マノナもまた、味方を呼び寄せようとしたその瞬間に撃たれ、夫の亡骸のうえに崩れ落ちて死んだそうです。なんだか、ディズニー映画かなにかにしてほしい、悲しくも美しいお話ですね。


…そういえば以前にも、王族の妻は夫と一緒に戦いに出かけ、夫が殺されれば夫のフェザーケープをまとって戦った、という話を読んだことがあります。もちろん、ハワイの全女性がそうして戦ったわけではないでしょうが…。なかには勇敢な妻たちがいた、ということなのでしょうネ。


女性はバナナやポークが食べられない、男女同席しての食事が許されないなど、古代ハワイでは女性の地位が低かったような側面も確かにありますが…。どうやら古代ハワイの夫婦は、絆が強いというか、一心同体、運命共同体のようなものだったようです。…ちょっと感銘を受けました。

コメント (4)

COZY:

JUNさん、ALOHA!

昔のハワイでの女性に対するカプは知ってましたがこの一緒に闘ったと言う話は初めて聞きました。
世界的に見ても珍しい事なんじゃないでしょうか?大抵“銃後の守り”、武勇伝を聞くにしても
その状況でのお話ですもんね。一線に出て闘うと言うのは余り例が無いような気がします。
しかし、無くなった夫の亡骸にケープを掛けてその後に・・・ってほんと物語になりますね。
いや~、毎回勉強になります!Mahalo nui loa!!

JUN:

コージーさん、ALOHA!
ブログをアップするなり、打てば響くような反応…。早速のコメント、有難うございます!
この話には後日談があり、ふたりの死からずっと後、ウィリアム・エリスが戦場を訪れると、二人が死んだまさにその場所に石が置かれ、目印になっていたそうです。さらにその数メートル横に石が積まれていて、小さな墳丘になっていたとか。そしてその周りには花が咲き乱れていたのですって。ああ、このことも本文に書けばよかった!
ホント、古代ハワイにはロマンを感じますねえ…。

jinglebell:

いつも興味深いお話をありがとうございます!ハワイで女性も戦いに参加をしていたなんて驚きです。夫婦愛なんですかね…。自分がその立場になった事を想像してみました。まだ結婚もしてないのに(笑)。怖いですね~。想像力が豊かなせいか、まるで小さい子供があっち行けって泣いて怒っているところみたいでした(笑)。きっと足手まといにしかならなかった事でしょう!当時のハワイアンの女性は、勇敢で気合が入っていたんですね。そういった教育を受けていたのでしょうが、頭が下がります。愛情の深さにも…。一心に愛するご主人を心配しまっすぐに考えついていったのでしょうね。

JUN:

ジングルベルさん、こんにちは~。
ジングルベルさんだけでなく、私も戦場でガタガタ震えてしまったと思います。
特に昔の戦いは、ハンドToハンドというか、接近戦が主だったと思いますしねえ…。
いくら夫婦間の愛情が強くとも、目の前で大切な人が殺されるのを目撃する勇気もないし。
やはりそういうハワイアン女性は、ジングルベルさんがいうように特別な教育を受けていたのかな?
でも…いくら私が武道の達人だったとしても、戦争に行く勇気はないですけどね!

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ハワイ在住15年目。ネイティブ・ハワイアンの夫と小学生の息子&娘の4人家族。何よりもハワイアンカルチャー、ハワイの不思議世界が好き。

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