ハワイには「ナイト・マーチャー」という、有名な怪談があります。その名が示すとおり、死んだハワイアンが夜の町を行進する…という、恐ろしいストーリーなのですが。この「ナイト・マーチャーの話を」とのリクエストを、コメントでいただいたので、今日は恐怖のナイト・マーチャーについてお話しましょう!
なんでも毎月陰暦27日の夜は、古来、ハワイ神話の大神カネにちなんだ神聖な夜とされてきたのだそうです。そのため昔からハワイでは、その夜、死んだ酋長や戦士が生前通った道を行進すると信じられてきました。
時刻は、陽が沈んだ直後の夜7時過ぎから、夜明け前の朝2時くらいまで。ヘイアウ(古代の神殿)や埋葬地から、生前暮らした土地など死者のお気に入りの場所に向かって死者が行進するのだそうです。時には死ぬ直前の子孫の家に向かって、先祖を含む行列が死者を迎えに行くこともあります。ナイト・マーチャーはハワイ語では、Ka Huakai O Ka Poカ・フアカイ・オ・カ・ポーと呼ばれます。
ハワイアン・カルチャーの大御所、故カヴェナ・プクイ女史によれば、もし行列を取りしきる酋長が生前静かな人であれば、死後の行進も静かなものになるそう。トーチライトを掲げ、無言で行列が進んでいくのだそうです。それがもし音楽が好きな酋長なら、行列は太鼓やノーズ・フルート、ほら貝が仰々しく奏でられ、賑やかなものに。時にはそこに、ハワイ語のチャント(詠唱)が加わることもあるとか? なんだか日本の「キツネの嫁入り」を彷彿とさせる話ですネ。
ですが、ナイト・マーチャーの方が格段に恐ろしいのは…。もしその死者の行進を目撃したら最後、自分も行進に加わらなければならない、という点。つまり、自分も死んでしまうというわけです! といってもビックリ仰天して死ぬわけではアリマセン。「見たな!」という感じで、行列のなかの一員に殺されてしまうのだそうです。ハワイでも道ばたで突然死している人がたまにおり、医師は心臓発作と死因を結論づけるわけですが…。「ナイト・マーチャーにやられたかな」と考える人も多いのですって。それだけナイト・マーチャーの逸話が、ハワイには浸透しているということですね。
もっとも、ナイト・マーチャーに遭遇したら最後、必ず命を取られるというわけではありません(ホッ)。もしも行列のなかに、その人の先祖が交じっていたら。命乞いをしてくれ、助かることがあるそうです。
もうひとつはコレ。素早く服を脱いで裸になり、うつぶせになって行列をやり過ごす方法もあります。その時、なるべく息を殺して静かにしていることが大切。…夜とはいえ、道の真ん中で裸になるのは勇気がいりますが、殺されるよりマシですよね? もしナイト・マーチャーに出会ったら、私は迷うことなく服を脱ぐことでしょう!
さてここまで読んで、「ナイト・マーチャーなんてバカらしい。迷信に過ぎない」と思った方が多いかもしれませんね。…無理もありません。ですがハワイには実際に、ナイト・マーチャーを見たという人が存在します。前述のカヴェナ・プクイの母もそのひとり。そしてある不動産屋さんから、こんな話を聞いたこともあります。
ある年配女性はホノルル郊外に素敵な家を持っていますが、そこを貸し出し、自分はほかの家を借りて住んでいるそう。というのも…その女性の家は、ナイト・マーチャーの通り道だからです! 女性は実際にナイト・マーチャーの姿を見たわけではないのですが、その影を見たのだそう。リビングルームの壁に、トーチライトを掲げた人々の行列の影が映ることがたびたびあり、怖くて怖くて、その家には住めなくなったのでした。
またこれは、オアフ島アイエアにあるヘイアウ近くに住む管理人さんの話。このヘイアウ一帯は公園になっているので、ホノルル市の職員である管理人さんがすぐ近くに住んでいます。ある夜、テレビの怪談特集でナイト・マーチャーの再現?シーンを見ていた息子が叫んだそうです。
「僕、小さい時にこの行進を見た!」
息子は子供時分、兄とふたり、ヘイアウ裏の山で遊んでいたそう。するとどこからか行列が出現。兄とふたり、木に押し付けられたようになって身動きできなくなってしまったそうです。恐ろしくて、その後ふたりは誰にもその話ができなかったとか…。
このほかにも、ナイト・マーチャーの通り道とされる場所はハワイ中にあります。オアフ島クアロアやモクレイアビーチ、身近なところではホノルル・ダウンタウンのカワイアハオ・チャーチ前、ヌウアヌとキング・ストリートの角、アラケアとクイーン・ストリートの角などなど。
ワイキキでは幸い、ナイト・マーチャーが出現するという噂は聞かないですが…。万一遭遇してしまったら。裸でひれ伏し、難を逃れてくださいね~!


コメント (10)
JUNさん、アロハ!
そうそう、会ったら裸になってじっとしていなさいと言うのは聞いた事が有ります。
なんでもない家の居間が通り道になっていたりするそうですね。
このようなスピリチュアルな事もあ~、有るだろうな素直に思ってしまうのも
ハワイの不思議なところですね。
投稿者: COZY | 2007年04月21日 01:19
日時: 2007年04月21日 01:19
コージーさん、こんにちは~。
ご所望のナイト・マーチャー、いかがでしたか?
けっこうハワイでは古典的な怪談ですが、現代にも生きるストーリーというか…。
ワイキキでの目撃談がないのが幸いですネ。
これからアロハエクスプレス次号の取材に行ってきます!
投稿者: JUN | 2007年04月21日 01:40
日時: 2007年04月21日 01:40
ナイト・マーチャーについては、怖い話というよりも、大事な心霊的な言い伝えと考えるべきだと思います。間違って興味本位に捉えては、それこそ恐ろしいことがおきるかもしれませんね。
ダウンタウンの場所については、夜に通ったり、バスを待つことが、よくありますので、不用意なことはしないようにしたいと思いました。
投稿者: ひろ | 2007年04月21日 06:12
日時: 2007年04月21日 06:12
ひろさん、ALOHA!
そうですね。ナイト・マーチャー、怖いけれど、怖い…とだけ捕らえてはイケマセンね。
確かに死者への敬意や、死後の世界の存在を伝える話なのかも。
ひろさんは、よくダウンタウンに行かれるのですか?
夜は気をつけてくださいよ…。
投稿者: JUN | 2007年04月21日 16:41
日時: 2007年04月21日 16:41
こんにちわーっ
即、マイケルジャクソンのスリラーのPVを思い出しました(年がバレますな)(笑)
やーそういうの信じますよ~っ(ワクワク)
「み~た~な~」と言って殺されるの恐い~。
想像したら恐怖で吐きそうになりました(笑)
すばやく脱げるよう練習しときます(笑)
投稿者: huhu wahine | 2007年04月23日 12:37
日時: 2007年04月23日 12:37
フフワヒネさん、ALOHA!
「スリラー」のビデオは、私の場合、大学時代でした…(年齢の激白)。
そうですね、そんなシチュエイションにあわせて、ハワイで夜道を歩く時は、ゆったりしたムームーかなんかがいいのかもしれません。
キツキツのジーンズなんかは、タブーかもしれませんね~?
投稿者: JUN | 2007年04月23日 14:49
日時: 2007年04月23日 14:49
ハワイ中のナイト・マーチャーの通り道に、陰暦27日の夜7時から朝2時まで暗視カメラで撮影したら、その姿を見れるかも?などと思ってしまいました。
恐怖よりも好奇心の強い人がこの時間に外歩く、とかいうことはないのですか?
投稿者: マケナ | 2007年05月02日 20:16
日時: 2007年05月02日 20:16
マケナさん、ALOHA!
ううう…。そういう怖いことをする人、いるかしら?神をも恐れぬティーンエイジャーでも…。
ヌウアヌパリにもやはり怪談があり、そこに肝試しに行く人はいるようですが、ナイトマーチャーの方は下手すると「死」ですからね~。試すには怖すぎるかも。
投稿者: JUN | 2007年05月03日 02:54
日時: 2007年05月03日 02:54
ALOHA!!
ナイト・マーチャーのお話初めて知りました。
が!!
私、5年位前にHAWAII旅行に行ったとき出会いました!!
ナイト・マーチャーの話を読んで確信しました。
そのときは、オハナ・アイランダー・ワイキキに宿泊していました。
友達と2人部屋に戻って各自ベッドで次の日の準備をしていたら、突然私だけ金縛り状態になってしまい
そしたら私のすぐ左を、山側の壁から白いロングワンピース(長袖)を着た人たちが海側に進んでいくのを見ました。
結構な人数で、男の人ばかりだった気がします。
そのひとたちが通りすぎると金縛りがとけて、
友達に「私今、金縛りに遭ってたよ!!」と友達に言ったら
ものすごいビビリようだったので、人が何人も通ってったとは言えず、ずっと気になってました。
ちなみに私は生きているのでナイト・マーチャーでは無かったのですかね?
投稿者: kukumi | 2008年02月11日 21:47
日時: 2008年02月11日 21:47
ククミさん、ALOHA!
それ、怖い!
なんだか、本文に出てくるアイエアの兄弟の話に似ていますよね!
金縛りにあって動けない目の前を、ナイトマーチャーが進んでいくという…。
ただ、白い長袖のワンピースというのは、古代のハワイアンではないのかも?
でも。
これってハワイで、死後、遺体に着せる服によく似ている…。
あるお葬式である男性が、白の長袖ワンピースを着てお棺に横たわっているのを見たことがあります。
女性は生前愛したムームーやドレスなどを着ていることが多いので、これってククミさんが目撃したように、男性に多い死装束なのかも?
白いその男性は、まるで天使のように見えました。白いワンピースを着て…。
それにしてもククミさん、無事でよかった!
投稿者: JUN | 2008年02月12日 02:40
日時: 2008年02月12日 02:40