篠遠博士のハイビスカス

rakuen.jpg

皆さんは篠遠喜彦博士(シノトウ・ヨシヒコ博士)をご存知でしょうか? 篠遠先生は東京出身者ですが、1954年にハワイ移住。ポリネシア研究の殿堂であるビショップ博物館所属の学者として、実に50年以上もポリネシアの研究に携わってきた、ポリネシア考古学の世界的権威なのです。


「ハワイアンのルーツを探る」という研究テーマにのっとり、篠遠博士の研究エリアはハワイというより、ソサエティ諸島やマルケサス、イースター島などなどが中心。熱帯の気候の中では歴史的遺物など残らない、従ってポリネシアには考古学という学問が成り立たないと思われていたポリネシアの島々で、実に多くの遺跡や遺物を発掘した篠遠博士。神殿跡や大型カヌーなども含めて、です。


それが各島の歴史やポリネシア民族移動の軌跡を知るのに役立ったのはもちろん、島の人々が、自分の土地に誇りを抱くきっかけにもなり…。加えて貴重な遺跡の保存運動にもつながったりと、ポリネシアに対する篠遠先生の功績の大きさは、計りしれません。


ハワイが誇る篠遠博士は、もちろん日本の誇りでもありますネ。日本でも上の写真のような著書「楽園考古学」(平凡社。荒俣宏との対談集)などを発表しているので、多くの方々が篠遠博士の名前を知ってらっしゃるのでは?


私も以前、篠遠先生にインタビューしたことがありますが…。堅苦しいところは微塵もない、目の輝きが印象的な先生でした。80歳を越えた今でも、毎夏タヒチ・フアヒネ島の発掘に出かけている篠遠博士。日本語、英語だけでなくタヒチ語も話すので、現地の人々のハートもガッチリつかんでいるよう。ポリネシアの島々で一番有名な日本人が、まぎれもなく篠遠博士、と言えるでしょう!


前書きが長くなりましたが、先日、この篠遠先生を記念して、「サー・ヨシヒコ・シノトウ」と名づけられた新種のハイビスカスが誕生したそうです! 過去7000種ものハイビスカスの交配に成功したハワイ在住のジル・コリエルさんが作り上げた青と赤の花だそうで、ジルさんと篠遠博士が一緒に、ビショップ博物館に植樹するセレモニーが行われたばかり。私はまだこのハイビスカスを見ていないのですが、美しいハイビスカスに自分の名が付けられるなんて…嬉しいでしょうね! 誰かアンセリウムに、私の名前を付けてくれないかな~。


篠遠先生にとっての名誉は、もちろんこれが初めてではなく。なんと! タヒチには、「タオテ・シノト」という流行歌まであります。昔、人気歌手によってレコードにもなったので、パレードで使われるような有名な唄なのですって。さらにマルケサスにも、「ウェルカム・シノト」という唄があるとか! …ポリネシアの人々の篠遠博士に寄せる想いが、ヒシヒシと伝わってきますね~。


おまけに2000年には、篠遠博士はフランス領ポリネシア政府から、騎士の称号まで授与されています。そう。篠遠博士は、タヒチの貴族でもあるわけですね! この授賞式にタヒチに赴いたときは、「タヒチだから、正装で出席するならマロ(ふんどし)になるか? なんて考えちゃいましたよ。アハハ」と、冗談を言っていた篠遠博士。帰国後、ビショップ博物館に出勤すると、女性スタッフが「騎士、篠遠博士~」と、片膝をついてお辞儀しながら迎えてくれた、とも笑っていました。


私もポリネシア、ハワイの事柄を勉強するのが好きですけれど、篠遠博士の足元には、数百キロも及びません。どうか末永く、現役で活躍していただきたいと思います。篠遠博士のハイビスカス、この目で見てきたら、即ご報告しますね!

コメント (15)

COZY:

JUNさん、ALOHA!

この本、気になっていたのですが固そうだなと思い、まだ手を出していませんでした。
今度読んでみます。
歌が出来たり、ハイビスカスに自分の名前が付くなって素晴らしいです。
やはり、ひとつの事を極めると言うのはすごい事なんですね。
先生から外れますが、私も自宅で現在ハイビスカスを12種類ほど栽培してます。
最近日本でハイビスカスと言うとハイブリットと呼ばれる大きな花や八重で複雑な
色合いの物が主になっています。
華やかさは格別ですが私自身は昔ながら小ぶりで単色のハイビスカスの方が好きなんです。
日本ではこのような昔ながらのハイビスカスは店頭に並びにくく手に入れにくくなってます。
ホウマルヒア・ボタニカルガーデンで見つけたハイビスカスの原種と言われている、
Kokio Keo Keoがなんとも可憐だった事を思い出します。。
あんなシンプルなハイビスカスも良いと思うんですけどねぇ。

大門:

花に名前が残るなんてすてきですね。
うらやましいですね~
JUNさんもきっとアンセリウムに名が残りますよ。

ホテルの前の街路樹から落下していた3センチほどの鈴なりの真っ赤な実を4個拾ってきました。
今、皮をむいてみたら、ヤシのみの殻のように繊維質の厚い表皮。中に25ミリほどの茶色いくるみ状の種が1個。
表面の赤色は茶色になってきました。
日本では今しかチャンスがないので、夏に発芽させます。
楽しみですが、何という木でしょうかねえ?

SONOKO:

国を考える時、この頃は良いことがなかなか思い描けません。今朝も相棒とある時期からの日本の拝金主義、そろそろ嫌な結果が出揃い始めたと嘆いていたところです。そんなに大切に思われる日本人は誇りですね。国を越えて捧げる研究心と欲得無関係のお人柄を思います。存じ上げませんでしたけれどJUNさんにお教え戴いて本当に嬉しい気持ち。騎士の称号も素敵ですけれどお花に名前をつけてもらえるなんて!夢のようでしょうね。はい、わかりました、今度アンセリウムを見たらJUNセリウムと呼ぶことにしましょうね。

HIRO:

たまたま昨日訪れた楽園写真展に篠遠博士のお話がパネルで紹介されていました。漁に使われた針の話だったんですが、それらは真珠貝やべっ甲、人骨などで作られており、特に「剥げた人の骨」の針が最もよく釣れる、って書いてあるのを読んで笑ってしまいました。今日のJUNさんの記事があまりにもタイムリーだったのでちょっとびっくりしてます。
博士の名前のハイビスカスですか。すごいですね。知り合いがビショップミュージアムでボランティアしてるので一度聞いてみますね。

JUN:

コージーさん、こんにちは~。
この楽園考古学、大おすすめです! 
読みやすいし、何より内容が面白い! ワクワクしながら読めることウケアイです~。
ああ、今度生まれ変わったら、篠遠先生のような人生を送りたい…。
コージーさん宅には、12種ものハイビスカスがあるのですか~。それはスゴイです!
八重のハイビスカスだとか、そういった華やかな新種が日本で広まっているとは知りませんでした。
複雑なものより、シンプルで優しい花のほうが私は好きですけどね…。
それにしても、ハイビスカスの咲き乱れる日本の庭なんて、素敵ですね!

JUN:

大門さん、ALOHA!
そうでしょうか、私の名前もアンセリウムに残るでしょうか~? 
ハワイ島ヒロのどなたか、もしくはハワイ大学の先生、お願いいたします(冗談ですが…)。
大門さんの見つけた赤い実は、いったいなんでしょうかねえ?
うまく発芽するといいですね~。
巨大なバニヤンの木に成長したりして…。あ、バニヤンの実はサヤエンドウみたいなやつだったかしら?
いずれにしても楽しみですね!

JUN:

そのこさん、こんにちは~。
ジュンセリウム、いい響きですねえ。密かに我が家で使いはじめようかしら…。
子供たちに「アンセリウムではなくジュンセリウムと呼びなさい」、なんちゃって。
篠遠先生は、まさにハワイの、日本の、そしてポリネシアの誇りですね。
なにより日本でより、ポリネシアでさらに有名である点に、いっそう尊敬の念を感じます。

JUN:

ひろさん、ALOHA!
楽園写真展ですって? 素敵。どんな内容なのでしょうか。
そうそう、篠遠先生はなにより、土器のないポリネシアで、土器の代わりに釣り針で年代の確定をする方法を確立したことで有名な方なんですね。
…写真展にもご登場となると、日本でも篠遠先生の名声は高いのですね~。すばらしいことです。
それにしても、ドンぴしゃりのタイミングでこの記事がアップされたことになりますね。ハイビスカスの話題は出ていましたか?

拾った種はアブラヤシの実のようです。
ヤシのみオイルがとれますね。
日本の気候では熱帯植物の冬越しは2月が肝心で、パパイヤもそのあたりで根ぐされで越冬できないことが多いです。
アブラヤシはパパイヤよりはいいかもしれませんが、挑戦して、仕事場にハワイを作ります(笑)

JUN:

大門さん、こんにちは~。
そうですか、アブラヤシの実でしたか!
大門さんは私よりはるかに、熱帯の植物にお詳しいようですね。
どうぞ将来はハワイアンな植物で仕事場を飾って、癒しムードいっぱいの中、後世に残るお仕事をなさってください!

huhu wahine:

JUNさんこんにちわー
この本・・対話式のでしたっけ?難しそうで、でも気になってる一冊でした。。
JUNさんオススメなら、今すぐ読みたい!
80歳にもなる方だったんですね!知りませんでした。
ああー 弟子入りしたい。 しのとうさんに。

私もハワイに咲いている植物は固有種、カヌープランツ、外来種、育てています。
キルト、フラ、と来たらどうしても実際の花や葉の形、なにより香りを知りたくて・・

趣味が高じて、ハワイ植物学の学校に通っています。
(たぶん、その先生とじゅんさんはお友達だと思いますよ)

私が住む湘南では、もうここ最近いろいろな種類のプルメリアや、ハワイ固有のハイビスカス数種、
ピカケ、イリマなども園芸店で安く買うことができるようになりました。

いま我が家ではUHから来たククイがワサワサと葉をつけ、ピカケが満開です♪

じゅんさん、心配しないでください。
「ジュン・モリデ」を人気歌手に歌わせ、パレードに使い、
「ウェルカムバック・モリデ」も作って次回の帰国をお待ちしています(笑)


JUN:

フフワヒネさん、こんにちは~。
ああ嬉しい! 「ジュン・モリデ」がヒットチャートに踊り出、横浜の港祭りのパレードかなんかに使われるのですか~。
そして私が帰る際は、「ウェルカムバック・モリデ」?
ああ~、空想でも素晴らしい世界を垣間見せていただいて、今朝の私は最高にハッピー!
問題は、この私が、全く無名人ということですねえ(フー)。
フフワヒネさんはハワイの植物学を勉強してらっしゃる?
それはスゴイ。その先生とは誰でしょう。そんな偉いお友達が私にいたかしら~?
お庭にククイまであるなんて、フフワヒネ宅、すごいですね!

haupia:

ごぶさたしています(^^ゞ

青と赤のハイビスカス………
青………なのですか???

まったく想像がつきません。  
でも、ぜひ実際に見てみたいですぅ!

JUN:

ハウピアさん、お久しぶりです~。
赤と青のハイビスカス…なのですよ。
でもきっと、赤に青い筋が入っているとか、真ん中の芯のところが青とか、ではないでしょうか?
私も早く見に行きたいです!
写真をお楽しみに~。

みさ:

今更ですが、、

篠遠=しのとお

ですよV(^0^)

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)


ハワイ在住15年目。ネイティブ・ハワイアンの夫と小学生の息子&娘の4人家族。何よりもハワイアンカルチャー、ハワイの不思議世界が好き。

2009年11月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

アーカイブ

最近のコメント

みさ on 篠遠博士のハイビスカス: 今更ですが、、 篠
JUN on 篠遠博士のハイビスカス: ハウピアさん、お久し
haupia on 篠遠博士のハイビスカス: ごぶさたしています(
JUN on 篠遠博士のハイビスカス: フフワヒネさん、こん
huhu wahine on 篠遠博士のハイビスカス: JUNさんこんにちわ
JUN on 篠遠博士のハイビスカス: 大門さん、こんにちは
大門 on 篠遠博士のハイビスカス: 拾った種はアブラヤシ
JUN on 篠遠博士のハイビスカス: ひろさん、ALOHA
JUN on 篠遠博士のハイビスカス: そのこさん、こんにち
JUN on 篠遠博士のハイビスカス: 大門さん、ALOHA
RSSを取得